IMSA代表、2022年に新設されるGTDプロが“1社”を中心に回っていることを否定

 ウェザーテック・スポーツカー選手権を運営するIMSAのジョン・ドゥーナン代表は、2022年に同シリーズに設けられるGTD Pro(GTデイトナ・プロ)クラスについての決定が「ひとつのメーカー」による影響を受けるのではなく、運営団体と関係するすべてのOEM(マニュファクチャラー)が「素晴らしいコミュニケーション」をとって行われていることを強調した。

 この声明は、コルベット・レーシングがGTLM(GTル・マン)クラスでキャンペーンを行っているGTE仕様のシボレー・コルベットC8.Rの修正バージョンが、新カテゴリーに受け入れられると予想されていることを受けて発表されたものだ。

 シボレー、BMW、ポルシェ、レクサス、ランボルギーニは、2022年に新設されるGT3ベースの新カテゴリーの最終的なレギュレーションの策定に、積極的に関与しているメーカーのひとつであると理解されている。

「GTDプロとGTDには大きな自信がある」とドゥーナンはSportscar365に語った。

「私たちはすべてのOEMと素晴らしいコミュニケーションをとってきた。これまでに2、3回のグループコール、そしてもちろん個別の話し合いも行っている」

「(私たちは)正しいことをしたいと考えている。メーカーの取り組みとメーカー/ワークスプログラムが提供するリソースによって、GTDプロを継続的にスポットライトが当たるものにしようとしているんだ」

「同時に、GTDを戦う人たちがその価値を認識し続けるようにしたい」

「私たちの目標は、人々のコストを維持するか、場合によってはさらに抑えることだ」

「我々はミシュランと緊密に協力してタイヤの選択を行っている。できる限り一貫性を保つよう努めているんだ」

 IMSAはコルベットに“ナショナル・ホモロゲーション”を付与する予定だが、これは過去にはBMWにも行ったことがある。最近では2016~17年にGTLMバージョンとして走ったM6 GT3がこの適用を受けている。

 ドゥーナンは最近の会議でもその例を参考にしたと述べた。

「コルベット・レーシングは、(カテゴリーが)GTDプロに統合されようとしているなかで、素晴らしい対応をしている」と彼は語った。

「彼らは長年にわたってシリーズに参加し、投資を行ってきた。私たちは当然、彼らをゲームに参加させたいと思っているが、同時に彼らの目的も達成させたいと考えている」

「しかしながら、決してひとつのメーカーを中心に決定が下されているわけではない。このスポーツにとって何がベストなのかをつねに考えているんだ」

 IMSAの代表は、コルベット・レーシングがGTLMカーをモディファイした車両がグリッドに並ぶことを期待しているか、との質問に対し「それが私たちの望み」であると答えた。

「それは彼らが発表することだが、私たちは自分たちの側で可能な限りできることをしてきた」

「また、彼らも同じようにこのプラットホームを理解していることを確認した」

「他のOEMも彼らのプログラムが継続することを望んでいる。少なくとも電話口ではそのように言っていた。彼らは自分たちのための場所を確保したいと考えているんだ」

GT3カーをベースに仕様変更が行われたBMW M6 GTLM
コルベット・レーシングのシボレー・コルベットC8.R

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