コロナで大量離脱した球団の成績は? 苦戦かと思いきや各チームが5割超えと奮闘

広島・長野久義、鈴木誠也、菊池涼介(左から)【写真:荒川祐史】

広島では菊池涼や鈴木誠ら主力含む10選手が感染

広島がコロナ禍に揺れている。18日に菊池涼介内野手、小園海斗内野手、正隋優弥外野手らが陽性判定を受け、20日には鈴木誠也外野手、長野久義外野手らが、21日には倉義和1軍バッテリーコーチが新たに陽性判定を受けた。チーム内の感染者は11人になり、21日からマツダスタジアムで行われる予定だった阪神戦は延期されることが決まった。

コロナ禍でのペナントレース開催で各球団は徹底した感染防止策を講じながらシーズンを戦っている。もはやどこで感染するかも分からない状況で、チーム内で陽性者が出ることは致し方のない部分もある。チームにとっては大きな打撃ではあるが、それでも、離脱した選手を欠いたままでもチームは戦いを続けなければならない。

今季、1軍選手で感染者が出るのは5球団目だ。開幕直後の3月31日にヤクルトの西田明央捕手が陽性判定を受け、青木宣親外野手、内川聖一内野手、川端慎吾内野手が濃厚接触者に。4月に入り、巨人の中島宏之内野手、丸佳浩外野手、若林晃弘内野手、ゼラス・ウィーラー内野手が陽性と判定された。

さらに4月30日には日本ハムの中島卓也内野手、西川遥輝外野手、清水優心捕手が陽性に。さらにロニー・ロドリゲス内野手、高浜祐仁内野手、今川優馬外野手、郡拓也捕手らも陽性判定を受け、チーム内での感染者は14人にまで拡大した。ロッテでも柿沼友哉捕手が陽性判定を受けた。

ヤクルト、巨人は離脱期間中どちらも勝ち越していた

新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者らはチームからは隔離され、2週間の自宅待機を強いられる。この間、チームは複数の選手を欠いた状態で戦うことになり、大きな打撃を受けることになる。

ただ、プロ野球はチームスポーツでもある。誰かが抜けた時でも、チーム全体でその穴をカバーすることが求められる。そういう時こそ、チームとしての総合力が問われる。

今季ここまで新型コロナウイルスによる離脱者を複数出した球団は、実はその離脱期間中、チームの成績に大きな影響があったわけではない。ヤクルトは西田や青木、内川が離脱した3月31日から復帰前日の4月15日までの14試合で7勝3敗3分と4つの勝ち越し。巨人も丸ら6選手が抹消となった4月4日から復帰前日の同22日まで16試合で10勝5敗1分と5つの貯金を作っている。

日本ハムは4試合の延期があり、西川らが抹消となった4月30日から復帰前日の5月14日まで4勝4敗の五分。それまでに借金6となっていたチーム状況を考えれば、決して悪い成績ではなかったのではないか。日本ハムでは杉谷拳士内野手が奮闘したり、ドラフト2位ルーキーの五十幡亮汰外野手の台頭があったりと収穫もあった。

チームのピンチは、代役となる選手たちにとっては大きなチャンスとなる。そういった選手たちの奮闘があれば、主力離脱の穴も埋められるということだろうか。(Full-Count編集部)

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