町田樹が自身のフィギュアプログラムを田中刑事へ継承! ドキュメンタリーをテレビ東京で放送

田中刑事(左)へ傑作プログラムが継承される(テレビ東京提供)

元プロフィギュアスケーターでスポーツ科学者の町田樹(31)が自身のフィギュアスケートプログラムを「作品」として、次世代に継承するプロジェクトを追ったドキュメンタリーが、22日放送のテレビ番組「追跡! LIVE SPORTSウォッチャー」(テレビ東京系~、22時30分~)内特集コーナーで放送される。

町田はフィギュアスケートで演じられてきた傑作と言われる作品が、選手の引退と共に消えてしまうのではなく、著作権という形で「振付師が作品の上演権を許諾し再演できる」ことを実証する「継承プロジェクト」を制作者集団アトリエ・タームと共に立ち上げた。

同特集では、プロジェクト第1弾となる町田自身が振り付けた「Je te veux」をフィギュアスケーター・田中刑事(26)への継承の過程が放送される。

3月末行われた合宿でのスケートリンクでの練習だけでなく、バレエレッスンや、町田の自宅で様々な映像作品から表現を学ぶ取り組みも行なわれ、5月、横浜で開催された「プリンスアイスワールド」で、田中が作品を上演したことも話題となった。

町田は「フィギュアスケートのプログラムというのは、振付師が選手からの依頼を受けて制作する、いわばオーダーメイド形式の創作物です。フィギュアスケートの長い歴史の中で、これまでに数々の傑作プログラムが生み出されてきましたが、そうした傑作も選手の引退と同時に世に出ることはなくなってしまいます。それは、あまりにももったいないことです。優れた作品は次世代に継承していくべきだと考え、この『継承プロジェクト』を立ち上げました」とプロジェクトに込められた思いを明かす。

「この『継承プロジェクト』をきっかけに、作品にコミットして演技を観る人も増えていくのではないかという期待があります。従来のスケーターにコミットする鑑賞法に加え『この作品を、彼が、彼女が演じたら、どんな世界を見せてくれるのだろう』という作品を中心にした鑑賞スタイルも盛り上がってくるのではないでしょうか。このように〝観客がこれまでとは異なる角度でフィギュアスケートを観ることができる〟そのことだけでも『継承プロジェクト』をやって良かったと思います」(町田)。

田中も「町田さんが僕を選んでくださったことに、やりがいとともに大きなプレッシャーを感じました。でも、それよりも『やりたい』という意思の方が強かったです。このプロジェクトはこれまで誰もやったことがないプロジェクトですし、『こんなチャンスはない』と。アイスショーも久しぶりですし、毎公演、『今しか味わえないことだな』と噛みしめながら滑っています」とコメントを寄せた。

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