JAながさき西海役員改選 宇久・小値賀、理事ゼロに 組合員反発 提訴も検討

役員定数の是正を訴える入山さん(右)と西尾さん=県庁

 6月下旬に行われるJAながさき西海の役員改選で、離島の宇久・小値賀地区の理事の定数が1人から0人に減員される見通しとなっている。同地区の組合員は、同地区で理事の選挙ができなくなり、農業協同組合法が定める選挙権が侵害されると反発。同JAに是正を求めており、応じなければ提訴も検討するという。
 同JAは佐世保市や北松小値賀町など3市2町で構成。高齢化で組合員が減少していることを受け、今年から理事の定数が27人から22人に削減される。
 宇久・小値賀地区を含む同JAさせぼ北部管内では9人から7人に減員。関係者らは3月に会議を開き、役員の選任方法について協議した。その際、これまで宇久・小値賀からは理事を1人選出することが慣例だったが、今回は辞退するよう迫られ、賛成多数で決議されたという。6月28日の通常総代会で正式に決定する見通し。
 県庁で21日、同地区理事の入山善雄さん(71)と組合員の西尾政喜さん(62)が記者会見を開き「数の力で組合員としての権利を奪われた。役員がいなくなれば、困っていることがあっても、理事会で意見を出せない」と訴えた。
 また、理事は組合員500人に対して1人を選出するのが基準となっており、同地区は505人のため「権利はある」と主張。同日、中村法道知事とJA県中央会の辻田勇次会長に、JAながさき西海に対して是正勧告するよう求める文書を提出した。
 同JAは取材に「弁護士などと今後対応を検討していく」とした。

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