桐蔭学園ラグビー部を花園連覇に導いた「桐蔭流ミーティング」とは?

株式会社大和書房は『桐蔭学園ラグビー部 勝利のミーティング』を2021年5月21日に発売。 昨年史上9校目の花園連覇を成し遂げた桐蔭学園ラグビー部。 選手たちは高校生離れした「会話術・リーダーシップ」を持ち合わせ、 毎年選手が変わるにも関わらず、 年々成長を遂げている。 その秘訣は、 時に6時間にも及ぶ「桐蔭流ミーティング」にあった。 彼らはコロナ禍の中でもZOOMを用いて週1回ミーティングをしてきた。 その仕掛人は、 監督・藤原秀之とスポーツ心理学士・布施努。 本書では桐蔭学園ラグビー部の最強タッグによる、 単に「勝つ」ということだけに重きを置かない、 どんな子でもリーダーになれる指導法を紹介する。

毎年個性豊かなリーダーを 育成する秘訣とは?

強いチームであり続けるためにはプレー以外の強みも必要だ。 その一つは「リーダー」である。 桐蔭学園ラグビー部では、 毎年個性豊かで全く違うタイプのリーダーを育成している。 本文より、 その方法の一部を紹介する。 選手の性格によって僕たちの働きかけは変わります。 まずは自分たちが思い描く「リーダー像」の作り方を繰り返し話し合います。 個人のオリジナルの性格はありますが、 ここではリーダー像の役割性格、 フレームワークを作るのです。 「役割性格」とは、 後に詳しく説明しますが、 もともとの自分の性格はそのままに、 与えられた役割の性格を演じる、 ということです。 「どういう自分なら、 リーダーとして一番いいミーティングにできるか」などに沿って演じます。 (第一章 普通の高校生を「最高のリーダー」にする育成法より)

桐蔭流ミーティングの7つのコツ

優勝した花園大会では6時間のミーティングを行ったという桐蔭学園ラグビー部。 ただ長いだけではない、 強くなるためのミーティングはどのように行われているのか。 ここでは彼らが行う質の高いミーティングの7つのコツを紹介する。 ・問題点をはっきりさせる ・知ったかぶりの評論家にならない ・自分の居場所を作る「散歩ミーティング」 ・考えることを「悪」にしない ・ルーティンをあえて崩す ・相手の分析も徹底的に選手主導 ・試合期こそミーティングを増やす ミーティングを重ねる中で選手は自分の頭で考え、 自分の言葉で意見を述べられるようになる。 ミーティングで試合について掘り下げることは、 自分たちの強み・弱み、 対戦相手の分析を行うことであり、 基本に立ち返る行為である。 この基本を押さえていたからこそコロナ禍でもチームを強くできたのである。 大切なのは技術だけではない。 当事者意識を持ち、 自分の頭で考え、 自分の言葉で 発言する能力を全員が持てば、 チームはより強くなるのである。

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