「いいなぁと思ったのはバレンティン」ソフトバンク・工藤監督が悩める大砲をたたえたワケ

6回にダメ押しのタイムリー二塁打を放ったソフトバンク・バレンティン

ソフトバンクが22日のオリックス戦(ペイペイ)に7―2で快勝して首位に浮上した。先発・マルティネスが7回無失点で3勝目。打っては主砲・柳田が先制3ランを放つなど4打点と存在感を発揮し、定位置を奪い返した。

収穫の多いゲームにえびす顔だった工藤監督は、一通り試合の総括を終えると「本日のイチオシ」とばかりに自ら切り出した。「今日いいなぁと思ったのはバレンティン。ああやって右中間に打った。チームのことを考えて逆方向にね」。貴重な中押し打を放った悩める大砲に、スポットライトを当てた。

4―0で迎えた中盤の6回だった。バレンティンが相手先発左腕・田嶋からフォークを打って右中間フェンス直撃の適時二塁打。「引っ張るのではなく逆方向。逆方向にいけばボールも上がりやすい。彼の力があれば、ヒットやホームランになる」。18日の西武戦から4試合連続でスタメン起用した悩める大砲の〝明るい兆し〟に、指揮官はご満悦だった。「ああいうのを1人1人が意識してやっていければ、きっとつながりが出て得点につながる」。汚名返上をかけたシーズン、姿勢と結果で「居場所」をつかもうとしている。

日本記録のシーズン60本塁打を誇り、NPB通算297発。移籍1年目に不振を極めてプライドは傷つき、何よりも戦力に加われなかった悔しさがあったはずだ。来週からは勝手知ったるセ・リーグ球団との交流戦も始まる。逆襲の予感が漂う中、本来の姿を取り戻せるか――。

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