新潟市南区の信濃川河川敷で出水期へ向けた水防訓練実施

堤防の両側の水位差を減らすことで漏水の勢いを減らし決壊を防ぐ「月の輪工」を作る新潟市消防団中央方面隊

国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所は22日、新潟市消防団など関係機関と合同で出水期前の水防訓練を実施した。

訓練が行われたのは、新潟市南区の赤渋河川防災ステーション付近の信濃川河川敷。新潟市消防団・西方面隊、西蒲方面隊、中央方面隊、南方面隊が「積み土のう工」と「月の輪工」制作を訓練したほか、国交相による排水ポンプ車と照明車の動作も確認。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から例年よりも規模は縮小されたが、これからの水害・台風シーズンに向けて各消防団員たちは念入りな工法の確認を行った。

訓練後取材に応えた信濃川下流河川事務所の足立文玄事務所長は「各消防団が日頃からの訓練の成果を出し、今回もごく短時間でしっかりとした土のう工と月の輪工ができた。今回は例年より規模が小さい訓練となったが、水害はコロナ禍だからといって待ってはくれないし、訓練を継続しないとノウハウは廃れていく」と出水期前の訓練の積み重ねの重要性を解く。

また足立事務所長は「消防団以外の一般の方々も、自分が住む地域の水害の特徴や、水害時に家に危険がないかなど改めて確認していただきたい」と今後の梅雨による水害と台風の時期への注意を呼びかけた。

「月の輪工」制作訓練の様子

土のうを完成させた新潟市消防団西方面隊

排水ポンプ車は毎分30トンの水を給水・排出可能であるという

© にいがた経済新聞