コロナ禍の下「公園造成」予算を搾り取られる北朝鮮国民から怨嗟の声

観光客として北朝鮮を訪れると、一般的な先入観とは異なり、案内員(ガイド)から写真や動画の撮影に関して厳しく言われることはない。ただし、軍服を着た人、哨所(検問所)、そして建設現場とそこで働く労働者の撮影はやめて欲しいと言われる。前者2つは保安上の理由からだろうが、建設現場はなぜだろうか。

案内員によって説明が異なり、正確は理由は不明だが、おそらく見栄えを極度に気にているのだだろう。それは、必ずしも外国人観光客に対してだけのことではない。

東海岸の大都市・咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)の中心部にある浦港(ポハン)広場は、金日成主席、金正日総書記の銅像がそびえ立つ、市内で最も聖なる場所だ。市当局は、平素から市民を動員して銅像の警備や広場の清掃などを行わせていたが、それだけに飽き足らず、広場に公園と噴水を造成することにした。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は今年3月21日、次のように報じている。

道党委員会の指導の下に、清津市党委員会は浦港広場の面貌を一新させるための工事を、新たな5カ年計画遂行の初年に実現させるべき主要目標に定め、市内の区域、工場、企業所を総動員して、党の思想貫徹戦、党政策擁衛戦の火が燃え上がるように組織政治事業を行なっている。

噴水公園工事を任された市内の複数の工場、企業所、突撃隊員たちは、昼夜を分かたず熾烈な突撃戦を繰り広げ、任された工事課題を成果的にこなしている。今、浦港広場は日ごとにその面貌が新たに一新されつつある。

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