取立山を登山、滝に岩場に花…楽しみ凝縮 福井県勝山市、1307メートル

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ミズバショウ群生地には残雪も=福井県勝山市の取立山
流れる水を避けながら、岩場を慎重に進んだ=福井県勝山市の取立山
羽二重くるみ

 チョロチョロと水が流れる岩場を、頑丈なロープを伝って慎重に上を目指す。「ファイト!一発!」と心の中で叫んで腕に力を込めた。

 福井県勝山市の取立山(1307.2メートル)を登った。小学生の息子は「ボルダリングみたいで楽しい」とごきげん。ぬれないよう、小さな流れを避けながらぐんぐん進む様子を、後方から見守った。

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 「絶対に時計回りがオススメ!」。昨夏、取立山に登頂した際に知人から強く言われた。登山口の大きな地図では、頂上までの行程は倍ほどあるが、助言通りのルートを選んだ。

 序盤、なだらかな登山道の両脇を彩る新緑がまぶしい。クロモジの枝先3センチほどを拝借。さわやかな香りがスタートダッシュの力をくれる。20分ほどで「ざあざあ」と水音が聞こえてきた。大滝だ。寄り道して滝の真下まで近づいた。漂うようなしぶきが顔に心地いい。岩場を経て上を目指す。登山道脇には積み石「ケルン」が散見された。記念にと小さな石を一つ、すき間に加えた。

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 見晴らしのいい尾根「天空ロード」を過ぎ、スタートから約1時間20分。最初のピーク、こつぶり山山頂(1264メートル)に到着した。目の前に白山が迫り、専用のテラスのよう。“主役”の取立山で見る白山よりも迫力満点だった。

 取立山山頂を目指す途中で、ミズバショウ群生地に寄り道した。たくさんの白い帆を立てた“花”と、残雪が待っていてくれた。

【ヤマメシ】⇒羽二重くるみ

 登山の行動食の条件は「高カロリーで手軽に食べられる」こと。勝山市の銘菓に、ぴったりのものがあった。「羽二重くるみ」だ。羽二重もちに、甘く煮詰めた和クルミを練り込み、シュー生地で挟んである。

 こつぶり山山頂でまずはコーヒーをいれるお湯を沸かす。わずかな時間が待ち遠しい。羽二重くるみをかじる。生地の香ばしさ、もちとクルミの甘みが口の中に広がった。ブラックコーヒーを一口すする。「うまい」。思わずうなった。