田んぼダム、来月から実証実験 熊本豪雨の被災地域、水田に雨水調節せき板設置

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水田の排水ますにせき板を取り付ける人吉東小5年の前田紗良さん(左)と蒲島郁夫知事=人吉市

 昨年7月の豪雨で被害を受けた球磨川流域の新たな治水対策として、熊本県による「田んぼダム」の実証実験が6月に始まる。22日、人吉市鬼木町の水田で、雨水の流出量を調節するせき板の設置式があった。

 田んぼダムは、水田にある既存の排水ますに特製のせき板を取り付け、水田により多くの雨水をためて河川への流出を緩やかにする仕組み。せき板は排水ますの大きさなどに合わせて数種類ある。

 県は実証実験のモデル地区に人吉球磨7市町村の約270ヘクタールを選定。排水路や水田の水位を観測して貯水効果を測るほか、水稲の生育への影響なども調べる。

 設置式には、県や地元の土地改良区などの関係者約100人が出席。蒲島郁夫知事が「田んぼダムは水害から住民を守り、環境の保全にもつながる。県内全域に広めたい」とあいさつした。

 この日は、2カ所の水田にせき板(縦10センチ、横40センチ)を1枚ずつ設置した。板にカエルとザリガニの絵を描いた人吉東小5年の前田紗良さんは「雨が降った時に川が増水しないよう役立てばうれしい」と話した。(小山智史)