イチゴを新たな愛川の味に 専門農園、2カ所開業

イチゴの出荷作業に追われる「ストロベリーハウス」=愛川町角田

 神奈川県愛川町内に昨年オープンした二つのイチゴ農園が忙しい日々を送っている。町内のイチゴ専門農園はこの2カ所だけで、町は新たな地場産品として期待している。

 昨夏に中津川に近い同町角田に「ストロベリーハウス」をオープンしたのは山田尚さん(58)=厚木市上依知。約1万1千平方メートルの土地を借りて、広さ約1500平方㍍のビニールハウスを設置。地面から1メートルほどの高さに栽培棚を設ける「高設栽培」で、土の代わりにヤシがらを使って栽培している。昨年12月から清川村の洋菓子工場や周辺のスーパーマーケットなどに甘酸っぱさが特徴の「紅ほっぺ」の出荷を始めた。

 山田さんは脱サラして、伊豆半島でイチゴ栽培に携わってきた。紆余(うよ)曲折の末、広い土地を確保でき、首都圏に近くて取引先を開拓しやすい愛川町で再出発した。

 「イチゴはフルーツとして人気があり、売りやすいのが魅力。手間はかかるが、工夫次第で収益が上がる」と山田さん。洋菓子用には実の小さなもの、スーパーマーケット向けには大きなものを出荷し、形が整っていないものはジャム用にするなど、無駄を省いて収益につなげる。「スーパーには完熟してから出荷するので、新鮮でおいしいイチゴを味わえますよ」とアピールしている。

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