木材価格値上げへ、青森県内住宅業界が懸念 建築費アップも

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木造建築に使われる柱や梁。供給不足が懸念されている=鯵ケ沢町(写真と記事は直接関係ありません)

 米国の住宅着工増加や中国の景気回復、輸送運賃の増大などにより海外で木材価格が上がり、青森県内の住宅業界が懸念を強めている。国内で流通する木材の6割余りが外国産。特に梁(はり)や柱など主要部分に利用される「集成材」の価格が大幅引き上げとなる見通しで、県内の業者からは「昨年の2倍ぐらいの価格になるのではないか」と懸念する声も出ている。

 林野庁などの資料によると、米国では新型コロナウイルス禍による在宅勤務の増加や低金利を背景に、住宅着工が急増。5月の米国の材木先物価格は一時、1年前に比べて4倍余りに達した。

 海外の価格上昇が飛び火する形で、国内では春ごろから、板を接着剤で重ねて強度を持たせた集成材の供給不足が深刻化。集成材の原材料は強度が高い欧州産が多く、青森市の業者は「原材料が欧州から米国や中国に流れ、日本に来なくなった。日本が買い負けした状態だ」と説明。別の業者も「8、9月に日本に到着する木材価格は5、6割か、それ以上上昇する可能性がある。(価格転嫁されれば)住宅建築を計画している人にとって厳しくなるだろう」と指摘した。

 県内のある工務店は当面、在庫で対応できるとしつつ「材木店に今後の見積もりを依頼しても、見通しが立たない。価格を例年の1.5倍と想定しているが、どうなるか分からず不安だ」と語った。県内関係者によると、仮に梁や柱の価格が2倍になると、住宅1棟の建築費用は、数十万~100万円ほど上がる可能性があるという。

 輸入材の高騰で、国産材に一定の需要が発生。県森林組合連合会では住宅向けスギ丸太の価格が、コロナ前に比べて10~15%高となった。同連合会の本間家大代表理事会長(鯵ケ沢町)は「搬出コストの増加もあり原木供給の採算は、目に見えて良くはなっていない。木材製品の高騰は、需給バランスの悪化が要因で一時的なものではないか」との見方を示した。