マーケティング戦略とは? 戦略構築の流れやフレームワークを解説

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ビジネスを効率よく展開するには、マーケティング戦略の立案が重要です。自社の商品・サービスを誰にどのように届けるのか定めることで、市場へのスムーズな浸透を図ります。

マーケティング戦略の構築は具体的に、環境分析・提供価値の決定などのSTEPで進めます。

今回はマーケティング戦略の概要、戦略構築の流れ、利用されるフレームワークについて解説します。

マーケティング戦略とは

マーケティング戦略を簡単にいうと、市場や需要を把握し、誰に・何を・いくらで・どのように提供するかを決定することです。

たとえば下記のような戦略です。

誰に:30代・40代の体臭が気になる男性
何を:消臭効果と保湿性の高いボディウォッシュ
いくらで:税抜き650円
どのように:テレビCMとドラッグストアの店頭販促でプロモーション

実際のマーケティングでは、もっと緻密で具体的な戦略を立てますが、大まかにわかりやすく表現すると上記のようになります。

マーケティング戦略を実行することで、自社の商品・サービスが市場で受け入れられ、売上やシェアが増加することを狙います。よって需要のある顧客層を定め、求められている商品やサービスを、適正な価格で、伝わりやすい方法で提供することが必要です。

経営戦略や営業戦略との違い

マーケティング戦略は経営戦略や営業戦略と重なる部分もありますが、厳密には違いがあります。

経営戦略は主に、人・モノ・金といった経営資源の配分を決定する戦略です。営業戦略は、売上やシェアの増加といった自社の利益目標を達成するための計画です。

マーケティング戦略も売上や利益と関連はありますが、顧客や市場にどうアプローチするかも重要となります。

戦術との違い

戦術とは、戦略を達成する手段のことを意味します。たとえば若年層における新商品の認知度アップが戦略であるとき、戦術としてSNSでのプロモーションを行うなどのことです。

マーケティング戦略を構築するSTEP

マーケティング戦略は、以下の流れで構築していきます。

STEP1.環境分析(内部・外部)

まず行うのはマーケティング施策を実施する環境について把握することです。内部環境は、自社の技術・人員・情報・資金といった経営資源のことで、外部環境は顧客・市場・競合・関連業種などが該当します。

環境分析でよく使われる手法として、SWOT分析やPEST分析があります。SWOT分析は強み・弱み・脅威・機会の4種類の要素を分析します。PEST分析は、政治・経済・社会・技術の観点で分析する手法です。

環境分析で重要なのは、客観的で冷静な視点です。自社に都合の良いように解釈したり、楽観視したりすると、環境の実態がつかめず、失敗しやすくなります。

STEP2.ターゲット顧客の決定

マーケティングでターゲットとなる顧客をどの層にするかを決定します。ターゲットの選定には、STP分析やペルソナ構築などの手法があります。

STP分析とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの総称で、細分化した市場の中からターゲットとする顧客を決定し、自社商品サービスの強み・売りなどの位置づけを行う分析です。

ペルソナ構築とは、自社が獲得するべき顧客を象徴するような人物像を設定する手法のことです。

STPについては後ほど解説します。ペルソナについては、下記の記事もご参照ください。

STEP3.提供価値を定める

商品・サービスを通じて顧客にどのような価値を提供するのかを明確に定めます。このとき、単に特徴を訴求するのではなく、「ベネフィット」を訴求することが大切です。

ベネフィットとは「恩恵・利益」という意味で、利用することで得られるメリットのこと。たとえば芳香剤でシトラス系の香りであれば、「爽やかな香りでリフレッシュして気分が明るくなる」といった具合です。

提供価値については、競合を意識して差別化を図るのも重要です。

STEP4.マーケティングミックスの決定

マーケティングミックスとは、マーケティング施策の要素の組み合わせ・配分のことを意味します。施策には販促・広告・価格設定などいくつかの種類があり、それぞれを適切に実施することで最大の効果を効率的に生み出すために、マーケティングミックスを設定します。

組み合わせ・配分に「これ」という正解は存在しません。適切な要素の組み合わせ・バランスにするには、業界・自社・競合の状況に加え、時代背景・人々の価値観など非常に多くの要素が絡んできます。

マーケティングミックスの決定には、「4P」というモデルがよく使われます。詳細は後述するので、そちらをご参照ください。

STEP5.実行・改善

マーケティング戦略は、一度構築すればそのままというわけではなく、PDCAサイクルで回すことが必要です。実行したら結果を測定し、目標や想定どおりとなっているか、客観的に判断します。

達成していない場合は、戦略のなかで改善できるポイントを探しましょう。

戦略構築に使われる代表的なフレームワーク

マーケティング戦略の構築に使われるフレームワークは、STPや4Pが代表的です。それぞれについて見ていきましょう。

STP

STPとは、細分化した市場の中からターゲットとする顧客を決定し、自社商品サービスの強み・売りなどの位置づけを行う分析です。

・Segmentation(細分化)
・Targeting(特定)
・Positioning(位置づけ)

上記3つの要素で成り立っています。3つの頭文字をとってSTPと名付けられました。

まずセグメンテーションでは、市場をさまざまな切り口を組み合わせて細分化します。切り口は、「地理的変数」(居住地区、人口密度、気候など)、「人口動態変数」(性別、年齢、職業、収入、家族構成など)、「行動変数」(購買行動、メディア接触など)、「心理的変数」(価値観、ライフスタイル、パーソナリティなど)の主に4種類があります。

次にターゲティングでは、自社の商品・サービスのビジョン・付加価値・メッセージに該当するセグメントを選び出します。

ターゲットとする顧客を決めたら、自社商品・サービスの立ち位置を明確に定義するポジショニングを行います。例えばシャンプーならば、香りの心地よさ、髪に良い成分、髪のまとまり・手触りの良さ、皮脂汚れ改善など、さまざまな立ち位置が考えられます。

4P

マーケティングミックスの決定によく使われるのが、有名な4Pモデル。マーケティングについてほとんど知らなくても、一度は聞いたことのある方も多いでしょう。

以下の4つの分野で戦略を構成します。

・Product(製品)→どのような特徴の製品か
・Price(価格)→いくらに設定するか
・Place(流通)→流通経路をどうするか
・Promotion(販促)→どのように販促を行うか

4つのPを軸として、製品・サービスとターゲット顧客をうまく結びつけるための施策を考えます。ターゲット顧客が複数パターンある場合、4Pもそれに応じて組み立てなくてはなりません。すべての要素を100%実現するのは現実的に不可能ですから、リソース配分も大切です。

まとめ

マーケティング戦略のゴールは、自社の商品やサービスを購入してくれる顧客が増えることにあります。

「誰に」(ターゲットの設定)、「何を」(提供価値を決める)、「いくらで・どのように」(マーケティングミックスの設定)に提供するか、基本となる戦略を突き詰めていくことは、消費者のライフスタイルが多様化するこの時代、ますます求められています。

監修者 : 田中あづみ

(たなか・あづみ)

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