ハミルトン7位で選手権首位から陥落「二度とこんな週末を過ごしてはならない」メルセデス/F1第5戦決勝

 2021年F1モナコGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは7位、バルテリ・ボッタスはピットでのトラブルによりリタイアを喫した。

 ボッタスは3番グリッドからソフトタイヤでスタート。ポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がトラブルでスタートできなかったため、ボッタスは2番手を走行、タイヤ交換に入ったところ、ホイールナットのトラブルで右フロントタイヤが交換できず、29周でリタイアせざるを得なかった。

2021年F1第5戦モナコGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)のピット作業でトラブル

 ハミルトンは7番グリッドからソフトタイヤでスタート、ルクレールのリタイアで6番手に上がり、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)の後ろを走り続けた。ハミルトンは誰よりも早く29周目にハードタイヤに交換。しかしその後ピットインしたガスリーが再び前に入り、さらにファーストスティントでは後ろを走っていたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)にも前に出られてしまい、ハミルトンは7番手にポジションを落とした。ガスリーを抜けなかったハミルトンは、67周目、ソフトタイヤに交換して残り約10周を走り、ファステストラップを記録し、追加ポイント1点を獲得した。

 しかしレッドブル・ホンダではマックス・フェルスタッペンが優勝、セルジオ・ペレスが4位に入ったため、ハミルトンもメルセデスも、両チャンピオンシップで2位に落ちる結果となった。

2021年F1第5戦モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=7位
 マックスと彼のチームにおめでとうと言いたい。彼らは僕たちよりもいい仕事をした。でも僕たちのチームは、敗北したり、ミスをしたりすると、それを乗り越えるたびに強くなる。今週末は全体的にパフォーマンスが良くなかったけれど、メルセデスはこれまで何度となく、反撃の方法を見つけ出してきた。誰かを責めることなく、勝つときも負けるときも、僕たちチームは一体だ。冷静さを保って、再び立ち上がらなければならない。あと18戦残っているから、戦いはまだまだ続くんだ。

 二度とこんなことが起きないように、対策にあたるつもりだ。経験豊かなチームが、このような週末を一度でも過ごしていいはずはない。これからチーム内でしっかりと議論する。こういう経験から学習するのは辛いことだが、これが初めてではない。

(レース後の会見で語り)僕たちチームのパフォーマンスはひどかった。そのために今日は大量のポイントを失ったんだ。(戦略によって)ポジションを3つ失った。それについてはチーム内で話をして、一緒に取り組んでいく。僕たちは週末を通して力を発揮できていなかった。次のレースに集中していく。

 このマシンには弱点があり、今回と同じく次(のバクー)も苦労することになると思う。温度が低いとタイヤをうまく機能させるのが難しいんだ。次も同じように苦しむ可能性があるから、失うものをどれだけ小さく抑えられるか、調べていく。

■ボッタス「ピットアウトできないなんて、信じられなかった」

■メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=リタイア
 ピットストップの時、マシンのなかで待機していて、これは時間がかかるなと思った。頭のなかで計算し、(カルロス・)サインツ(フェラーリ)が通り過ぎていく、(ランド・)ノリス(マクラーレン)が通り過ぎていく、と思いながら30秒たった。信じられなかったよ。

 もちろん、ものすごくがっかりしている。二度と起きないよう、学ばなければならない。今日、僕はついてなかった。チームとしては、ピットストップを改善することを最優先にしていかなければならない。今年、ピットストップは素晴らしい出来とはいえない。誰かのせいではなく、チーム全体で、改善する必要があるんだ。

2021年F1第5戦モナコGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)がリタイア

 15周目から20周目あたりは、マックスとのギャップはいい感じだったけれど、マックスがペースを上げた後、僕は自分の左フロントタイヤが彼のタイヤよりも状態が悪くなってきていることに気付いた。そうしてギャップが広がっていった。ピットストップをするころには引き離されつつあったので、走り続けられたとしても、優勝争いをするのは難しかったかもしれない。でも2位は可能だったと思う。

 火曜日に今日のレースについてのミーティングを行う。僕自身が改善できる点、チーム全体が改善できる点について、理解を深め、次のバクーに向けて準備を整えるよ。

© 株式会社三栄