高橋洋一内閣官房参与の辞任で自民内部から「菅首相はなぜ重用?」と疑問の声

菅義偉首相

政府は24日、嘉悦大教授で高橋洋一内閣官房参与(65)の辞任を発表した。SNSでの「さざ波」「屁みたい」発言の責任を取ったものだが、自民党内では菅義偉首相(72)の不祥事への対応を巡って、不安の声が上がっている。

高橋氏は新型コロナウイルス感染の状況をツイッターで「この程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」「欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』もの」などと投稿し、もう批判を浴びたことで、自ら辞任を申し出た。

菅首相は「本人から大変申し訳ない、訂正したいとお詫びしている。その中で、これ以上迷惑をかけることはできないということで辞任をされた。大変反省をしておられた」とコメントした。

立憲民主党の枝野幸男代表(56)は「お辞めになったから済む話ではない。とんでもない人にアドバイザーになってもらっていた菅首相の見識が問われる」と厳しく批判した。

同党の福山哲郎幹事長(59)は「遅きに失した。ご本人が辞任を申し入れたこと自体、首相自身が辞めさせる判断をしなかったということなので非常に残念だ」と指摘。高橋氏のツイッターについては「亡くなった方が1万人を超えている中で『さざ波』『屁みたいな』と不適切な発言を繰り返したのは、言語道断と言わざるを得ない」とした。

野党は高橋氏の参考人招致を要求していた矢先で、国会で発言の真意を問いただす方針だった。

「菅首相は高橋氏を逃がした格好ですよ。菅首相の任命責任は今後、問うていきます」(立民関係者)

自民党内でも、高橋氏をなぜ菅首相が重用したのか疑問の声が上がっている。

「高橋氏が以前から好き勝手にSNSで発信していたのを菅首相は知っていたはずなのに、なぜ内閣官房参与に任命したのか。さらに高橋氏をすぐに辞めさせなかったことで、野党ペースに陥っています」(自民党議員)

辞任したからといって、今回の問題は菅政権にとって、「さざ波」「屁みたい」とはいかないようだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社