復調ムードの鷹・バレンティン “おいしい” 交流戦での気になる起用法は?

勝負どころの交流戦に臨むソフトバンク・バレンティン

過去8度制した交流戦に臨むパ・リーグ首位ソフトバンク。2年ぶりにセ・リーグ6球団の挑戦を受ける王者にあって、注目ポイントは悩める大砲の逆襲が見られるかどうかだ。

昨季の大不振から復活を期して奮闘するウラディミール・バレンティン外野手(36)だ。主砲・グラシアルの故障離脱、五輪予選に臨むキューバの絶対的4番・デスパイネが不在となる中、願ってもないタイミングで巡ってきた〝交流戦チャンス〟。かつてヤクルト時代にセ球団を震撼させた特別な輝きをこの機会に取り戻すことを本人もチームも、さらには鷹党の多くが望んでいるはずだ。ここで青写真通りに働き「バレ砲復活」となれば、交流戦後の戦いはさらに明るくなる。

バレンティンは今月18日に一軍昇格。そこから5試合連続「DH(指名打者)」でスタメン起用されている。打率2割(20打数4安打)、0本塁打、3打点ながら中堅から逆方向への安打が目立つ。これには工藤監督も「チームのために逆方向にね。ああいう意識があれば、きっとつながりが出て得点につながる」と、悩める大砲の変身ぶりに手応えを感じている。

いい流れで迎える交流戦だが、DH制のないセ・リーグ主催試合が半分の9試合ある。ここでの起用法が注目点だ。指揮官は「うーん…その辺はおいおいですね…。打撃の状態とか、投手のこともある。そこは小久保ヘッドと相談したい」と明確な答えは伏せたが、実情はセ主催試合では代打待機が濃厚とみられる。

かねて左翼守備に意欲的なことは有名だが、だからと言って守らせてもらえる〝特権〟は今のバレ砲にはない。外野枠は柳田、栗原が確定。残り1枠を上林、真砂、内野が本職ながら外野もできる牧原大らと争う構図になる。バレンティンを取り巻く状況は明快。代打起用でも結果を残しつつ、DH出場の際に守備力をカバーする打撃力をアピールできるか。すべては一打席一打席の結果次第だ。

勝手知ったるセ球団相手に強みを発揮できるか。まずは一打席でも多く出番を得られるかが鍵だ。25日からの交流戦開幕カード・中日戦(バンテリン)は敵地。限られたチャンスをまずは生かせるか。

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