次期衆院選新潟6区情勢、高鳥氏、梅谷氏、風間氏の三つ巴の様相呈す

右から自民党の現職、高鳥修一衆議院議員(60)、元参議院議員の風間直樹氏(54)、立憲民主党の新人、梅谷守氏(47)

次期衆院選(10月21日任期満了)の新潟6区は、自民党の現職、高鳥修一衆議院議員(60)と、〝3度目の正直〟となるか注目の立憲民主党の新人、梅谷守氏(47)の3度目の一騎打ちとの見方が強かったが、ここに来て立憲民主党の公認候補に梅谷氏に敗れた形の風間直樹前参議院議員(54)が立候補の意向を示していることで、三つ巴の闘いとなる可能性が出てきた。高鳥衆議院議員、梅谷氏、風間氏への本人インタビューをもとに新潟6区の最新情勢をまとめた。

5期目を目指す高鳥衆議院議員は現職の強みや安倍晋三前総理大臣とのパイプを活かし、国での実績をアピールする。自身が実質的に会長を務める自民党内の保守派議員連盟「保守団結の会」は安倍前総理や高市早苗元自民党政調会長らが顧問を務める会で、昨年の6月に立ち上げた。

その会では現在政府に対し、持続化給付金の再交付と経済的に苦慮している人に対する10万円の特別定額給付金再交付の早期実現を提案している。10万円給付金の1つの目安は市町村民税非課税の世帯であり、試算では3,000万人から4,000万人となるが、中々政府が動かないので不満があるという。

高鳥衆議院議員は「実は去年の4月14日に、当時筆頭副幹事長だった私が安倍総理に国民全員への10万円給付の申し入れをした。きっかけを作ったのは私だ」と話す。

「今は緊急事態の非常時。非常にどう国民を守かが問われている」とも話し、新型コロナウイルスとは別だが、今年の1月の上越市の豪雪被害では野上浩太郎農林水産大臣や赤羽一嘉国土交通大臣らが続々と上越入りした。一部の関係者からは各大臣を呼んだのは高鳥衆議院議員だと言われており、3月の糸魚川市の地すべり被害も含めた災害時への対応など地元有権者へのアピールには余念がない。

最近の世論調査では菅内閣の支持率が低下するなど自民党には逆風が吹き始めているが、高鳥氏は後援会会長を上越商工会議所の髙橋信雄会頭に交代し、後援会の強化を図る方針だ。

高鳥修一衆議院議員

一方、梅谷氏は元新潟県議で、国政には3回目の挑戦となる。周辺からは「最後のチャンス」と声も聞かれる。前回2017年の選挙において約2,200票差で現職の高鳥氏に惜敗した。梅谷氏は立憲民主党の事実上の公認候補となる総支部長に決まっており、2017年の選挙同様に「新潟モデル」と言われた野党連携を目指している。

主な政策は新型コロナウイルス感染症への対応策で、国民全員への10万円の再交付やPCR検査の無料化のほか、国産ワクチンの開発・実用化をすべきというもの。加えて、消費喚起のための消費税減税も訴えているほか、憲法9条を守り、世界遺産認可を目指すという政策も打ち出している。

前回も上越市では高鳥氏に勝っている。40代後半の梅谷氏は「自民党のゆがんだ政治を直す。今回の選挙で政権交代を目指したい。併せて、世代交代を訴えたい。そのためには新潟6区から変えたい。夢としてはオールジャパンの力が結集するような国会論議になるようにしたい」と意気込む。

梅谷氏は前回無所属からの出馬だったため、惜敗率での「敗者復活」はならなかったが、今回は立憲民主党からの出馬であり、接戦に持ち込めば最悪でも「敗者復活」の可能性も残る。

立憲民主党の梅谷守氏

最近まで公の場に姿を見せていなかった風間氏は、16日、上越市直江津地区でのミニ集会後に本紙の取材に応じ、新潟6区からの出馬意向を明らかにした。

梅谷氏との立憲民主党内での公認候補争いに敗北した形だが、政党公認もしくは推薦のもとでの出馬となるのか、無所属での出馬となるのかについては未定だということだ。

風間氏は「有権者からは『国はお金がないので、増税があるのではないか』といった声もある。政策的には新型コロナウイルス感染症対策や、経済対策などを訴えたい」と語った。

ある関係者は「解散は菅総理しか分からないこと」と冗談ぽく言うが、解散時期も6月説(6月下旬公示、7月4日投開票)やオリンピック開催の場合は9月、10月説、または9月末の自民党総裁選の前日という説も飛び出すなど様々な憶測が飛び交う中で、確実に次期衆院選は日々刻々と近づいている。新潟6区管内では10月31日に上越市長選も控えており、衆院選の選挙結果も十分に影響を及ぼすものと予想され、3つ巴の混戦となる見通しの新潟6区から目が離せない。

前参議院議員の風間直樹氏

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