アルツハイマー病発症メカニズムの正しい理解に基づく 多角的治療戦略の提案

星美奈子博士の研究論文が英国薬理学会から高く評価され表紙を飾る

令和3(2021)年5月21日
公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構

神戸医療産業都市推進機構(神戸市、理事長:本庶佑、以下「当機構」)は、星美奈子博士(当

機構先端医療研究センター神経変性疾患研究部長)の研究成果が英国薬理学会誌『British Journal of Pharmacology』に掲載されたことを、お知らせします。

星博士のこのたびの研究論文は、アルツハイマー病の根本的治療に結び付く画期的な提案として極めて高い評価を受けており、同誌はその卓越した貢献を称え、研究の一端を表紙に飾っています。

BJP表紙掲載(左)と卓越した貢献を称えるCertificate=証明書が授与された(右)

【本研究のポイント】

l アルツハイマー病に対して高度な独自技術の蓄積が必要となる多角的治療戦略を提案した

具体的には(1)次世代創薬で注目される中分子薬によりアミロイドβ(Aβ)凝集体表面とナトリウムポンプの相互作用を阻止、(2)低分子薬によるナトリウムポンプ自体を活性化、(3)Aβの凝集体であるアミロスフェロイドを形成前に阻害し超早期医療を実現の3つのアプローチ

l 星博士は神経細胞死のきっかけとなる毒性構造体とそれらが神経の活動に必要なナトリウムポンプの働きを阻害することを既に証明しており、ナトリウムポンプへのダメージを阻止する薬物候補の開発に成功している

パーキンソン病においても原因は凝集体によるナトリウムポンプの活性阻害であることから、このたびの治療戦略はアルツハイマー病を超えた波及効果が期待されます。

※研究成果等の具体的な内容につきましては、添付資料をご参照ください。