【東京五輪】渡航中止勧告はバイデン政権からの最後通牒「米国の撤退意思うごめいている」

バイデン大統領も動き出した(ロイター)

米国務省による日本への渡航中止勧告は、バイデン政権による東京五輪への〝最後通告〟か。

米国務省は24日、新型コロナ禍の深刻化により日本への渡航警戒を4段階のうち最も厳しいレベル4の「渡航中止・退避勧告」へと引き上げ、米国疫病予防管理センター(CDC)も「渡航者は日本へのすべての旅行を避けるべき」と通告した。

これを受けて米国五輪・パラリンピック委員会(USOPC)は「米国選手の安全な参加に自信を持っている」と東京五輪への米国代表の出場に影響はないとの声明を発表したが、米政府はもはや東京五輪を見放しているようだ。

オーストラリア紙「オーストラリアン」は「この警告は五輪へのハンマーブローだ。米政府による指令は、東京五輪を中止すべきでないと自国民に納得させようとする日本政府の希望に対する深刻な後退だ。これは五輪に出場するかどうかに関するアスリートの決定にも影響を与える可能性がある」と報道。そして、米国政府の〝思惑〟をこう指摘した。

「国務省の報道官は米政府が『昨夏の五輪を延期する決定を尊重し、日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)が今夏の東京五輪に向けて検討している慎重な考慮事項を理解している』と述べた。またバイデン大統領は『大会のためにトレーニングを行い、オリンピック精神で競う米国のアスリートを誇らしくサポートする』と語っている。それは開催の〝承認〟ではなく、大統領が五輪を受け入れられなくなった場合には撤退するという意思がうごめいている」。米政府は開催を後押しする言及を避けており、今回の渡航中止勧告は東京五輪の中止へ向けた動きが始まったことを示しているというわけだ。

国民の生命を軽んじるIOCや大会組織委員会への批判が国内外で高まる中、いよいよ超大国が〝鉄槌〟を下すのか。Xデーは確実に迫っている。

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