元3階級王者・ロマチェンコの狙い 復帰戦の相手・中谷正義は〝物差し〟となるか

ロマチェンコ

ボクシングの元3階級王者ワシル・ロマチェンコ(33=ウクライナ)の〝もくろみ〟とは――。

ライト級でWBO5位、WBC8位、IBF10位の中谷正義(32=帝拳)との復帰戦(6月26日=日本時間27日、ネバタ州ラスベガス)に臨む〝ハイテク〟ことロマチェンコだが、米メディア「イーストサイド・ボクシング」は「(世界同級4団体統一王者)テオフィモ・ロペス(23=米国)よりも印象的に中谷を倒すことを計画している」と伝えている。

長らく「パウンド・フォー・パウンド」(体重差がないと仮定した場合のランキング)1位に君臨していたロマチェンコだが、昨年10月に同級4団体統一戦でテオフィモ・ロペス(23=米国)に判定負け。しかしその際のジャッジについて、米スポーツ専門局「ESPN」に「何度も見返した。私の意見では、引き分けだった」と疑問視していると同メディアは伝えている。そのうえで中谷戦に向け「彼は、ロペスと戦った時に接戦だった。私にとって素晴らしい相手だ」と、ロペスへのリベンジを熱望する自身にとって中谷は〝物差し〟として最適な相手と語ったという。

一方の中谷も2019年7月にロペスと対戦し、惜敗といえる激闘を演じた。そのため同メディアは「(ロマチェンコは)ロペスよりも自分がどれだけ優れているかを示すために共通の相手である中谷を選択し、自分の実力を示そうとしている」と指摘している。

つまり、ロペスを苦しめた中谷を明確に下すことで自身の実力を誇示し、ロペスとの再戦の機会を手繰り寄せる算段というわけだ。再戦についてロペスは消極的な姿勢を見せており、中谷も簡単な相手ではないはずだが、果たしてロマチェンコに雪辱の機会は訪れるか。そして中谷はそんな思惑をブチ壊すファイトを見せられるか。

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