DV加害男性の「暴力」解決へ 更生プログラム受講者募集

オンライン体験会で進行役を務める宮本代表

 「パートナーや子どもに対して、相手の尊厳を傷つけるような言動をしていないか、見つめ直してほしい」-。ドメスティックバイオレンス(DV)加害男性の非暴力教育プログラムに取り組む長崎市の民間団体が、9月に始める第6期の受講者を募集している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の長期化でDV被害の悪化も懸念される中、同団体は「まずは相談を」と呼び掛けている。
 団体は臨床心理士や福祉関係者らでつくる「ながさきDV加害者更生プログラム研究会」(宮本鷹明代表)。「加害者の『暴力』を解決しなければDV被害は減らない」と被害者支援の一環で、2018年から約半年間のプログラムに取り組んでいる。
 今年3月に終了した第5期までに30~50代の男性延べ17人が受講。受講者同士がロールプレイ(役割演技)などを通じ、自身の内面や振る舞いを客観的に認識し、より良いコミュニケーションスキルの実践を目指す。
 今月20日には県内マスコミ関係者らを対象にオンライン体験会を実施。宮本代表らが進行役を務め、参加者はロールプレイを通じ「相手の意見も尊重しつつ、自分の気持ちを表現する」言葉遣いや態度について理解を深めた。
 内閣府によると、昨年度の全国のDV相談件数は19万30件(速報値)で前年度の約1.6倍に急増し、過去最多。コロナ禍に伴う在宅時間の増加や社会的ストレスが要因とみられる。
 同研究会の佐藤紀代子副代表(臨床心理士)は「外出自粛の長期化で息苦しさは増し、家族間のストレスも高まる」とDV被害の悪化を懸念。「個別の面談や電話相談にも応じるので、まずは相談してほしい」と話している。

 第6期は9月から原則、毎週火曜午後7時~9時、長崎市内で開催(コロナの状況次第でオンライン開催)。参加費は全18回で2万円。6月末までに同研究会(電070.2833.7399、メールinfo@nondv.com)に申し込む。

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