1億5千万円の支出決定経緯と使途説明こそ必要

 自民党の二階俊博幹事長は2019年夏の参院選挙(広島選挙区)に党公認で立候補し、当選後に公選法違反(買収)で有罪となり、当選無効になった河井案里氏の陣営に選挙資金として党本部から1億5000万円を提供した事案について、25日の記者会見で「責任は総裁(安倍晋三前総理・前総裁)と幹事長(私)にある」と語った。ただし、支出は党として組織的に決定したものとしており、党組織の建付けから、最高責任者の総裁と党務を仕切る役割がある幹事長に『ポスト上の責任がある』としたに過ぎない。

 1億5000万円のうち、1億2000万円は税金が原資の政党交付金であることから、公の国政政党として、誰が破格の選挙資金を河井陣営に提供するよう指示し、許可したのか。

 提供された資金が今回の買収資金に使われていなかったか、安倍前総裁は総理時に案里氏の夫・克行元法相とあっているが、選挙資金の相談を受けたのではないか。1億5000万円の提供決定経緯から使途内容までの説明責任を果たすことが求められている。(編集担当:森高龍二)

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