韓国の国家負債が195兆円まで急増(昨年決算)...コロナで収入鈍化も支出増える

韓国の国家負債の規模が、新型コロナウイルス感染症の過程で、昨年1,985兆ウォン(約195兆円)まで急増した。国管理財政収支の赤字も112兆ウォン(約11兆円)まで増えた。

(参考記事:「韓国の国家債務がGDP比40%超え…増加スピードは世界上位 IMFも懸念 」)

韓国政府は6日、閣議を開き、こうした内容などが盛り込まれた「2020年度国家決算報告書」を審議・議決した。

政府の財務諸表決算によると、昨年の国家負債は1,985兆3000億ウォンで、1年前より241兆6000億ウォン増加した。

昨年の国家負債の規模は過去最高となった。国家負債が国内総生産(GDP:前年1,924兆ウォン)規模を上回ったのは発生主義概念を導入した国家決算報告書が作成され始めた2011年度以降で初めてとなる。

新型コロナウイルス克服のために、4回にわたって67兆ウォンの追加補正予算案を編成し、国債発行規模が111兆6000億ウォン増えたことが国家負債増加の主要因だ。

このため、中央政府と地方政府の債務を合わせた国の債務(D1)が昨年846兆9000億ウォンとなり、前年比で123兆7000億ウォン増えた。これにより、GDP比の国家債務比率は37.7%から44.0%へと、1年で6.3%ポイント上昇した。

D1基準の国家債務は国家間の比較の基準となるD2基準一般政府の負債(D1 +非営利公共機関の負債)の根幹となる指標である。

国家負債増加のもう一つの主要因は、100兆5000億ウォン(公務員71兆4000億ウォン+軍人29兆1000億ウォン)増えた年金引当金である。年金引当負債を含む非確定の負債が130兆ウォン急増した。

年金引当負債は、将来的に支給する推定年金額を現在価値に割引する概念である。低金利の時期には割引率が低くなり、年金引当金の規模は大きくなる。

新型コロナウイルスにより、政府の収入増加傾向は鈍化した一方、危機克服のための支出は急増し、国の財政状況を示す財政収支は急速に悪化した。

昨年の総収入は478兆8000億ウォンで、前年比5兆7000億ウォン増加したのに対し、総支出は549兆9000億ウォンで、1年前より64兆9000億ウォンも増えた。

これにより、統合財政収支の赤字は71兆2000億ウォンで史上最大規模を記録した。 GDP比の統合財政収支の赤字の割合は-3.7%で、1982年(-3.9%)以来38年ぶりに最も悪い数値となった。

(参考記事:「韓国、債務率は低いが増加スピードは世界屈指の速さ…日本を圧倒」)
(参考記事:「韓国の家計負債は世界平均を大きく上回る…金利上昇時に衝撃恐れ」)
(参考記事:「韓国企業と日米中企業との格差拡大…世界500大企業調査でシンクタンク」)

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