西方裕之「帰郷」35周年で切り開く新境地 この曲のように…父と酒を酌み交わしたかった

西方裕之「帰郷」

演歌歌手・西方裕之(59)が35周年記念第2弾シングル「帰郷」(作詞・朝比奈京仔/作曲・杉本眞人)を今月リリース。1987年に26歳で歌手デビューという遅咲きの西方が35年目で新境地を開拓する。

――新曲はどんな作品ですか

「ひと言でいえば望郷歌です。新曲の『帰郷』『おふくろ便り』、再レコーディングした『赤とんぼ』と、収録する楽曲全て“故郷”をテーマにしています。新曲の2曲は作詞・作曲・編曲すべて初めての先生方で、すごく新鮮な楽曲ができたと思います。とてもカッコいい曲です」

――西方さんの「故郷」は佐賀県ですが、この楽曲に出会って故郷について思うことは

「父親が早くに亡くなったので、もし今、生きていれば、この曲のように酒を酌み交わしたかったと思っています。自分の田舎は漁師町だったので、昔を思い起こせば、酒好きで元気な漁師がたくさんいる環境だったなと思います」

――杉本先生とは初めてのタッグだそうですが

「実は付き合いは長いんです。ただ自分は演歌。杉本先生はロックやフォークがメインのアーティスト・作家さんというイメージが強かったので、作品での関わりはありませんでした。ですが、自分では先生の作品は大好きでよく聴いていましたし、いつか歌いたいなとは思っていました。今回、35周年の節目にあたり担当ディレクターが代わったり、杉本先生のメロディーで故郷を感じる楽曲はどうだろうかという話になり、念願かなう形となりました。杉本先生だからこそ、これまでにないような楽曲になったと思います」

――昨年は故星野哲郎先生が書かれた記念曲第1弾「出世灘」をリリースしましたが、星野先生との思い出は

「無名の新人だった自分に歌手人生の宝となる詞をたくさん提供してくださいました。また、アルバムには貴重な語りも入れてくださるなど、本当にかわいがってくれました。何の恩返しもできなかったので、いただいた楽曲を大切に歌い、いつか大きな歌手になることで、少しでも恩返しになればと思っています」

――ファンの方に向けてお願いします

「なかなか直接、お聴きいただける機会が少ないですが、その思いも込めてレコーディングしましたし、ミュージックビデオもフルサイズを公開しています。このシングル1枚を通して、故郷を感じていただける作品ですので、今の時期だからこそ歌で故郷を感じてほしいと思います」

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