「M」「会いたい」「未来予想図Ⅱ」飾らない言葉でリアルを伝える。元・作詞家志望のジャーナリストの解説が共感を呼ぶ

潟永秀一郎氏

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ジャーナリストとして、社会問題をさまざまな角度から掘り下げるコメントで定評のある、元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎さんには「隠れた特技」がある。その特技を生かした不定期企画が、彼がレギュラー出演しているRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』で始まり、多くのリスナーの共感を集めている。

その企画とは、昭和から平成のヒット曲の数々の歌詞を読み解く「この歌詞がすごい!」だ。実は潟永さん、かつて作詞家志望だったという。誰もが口ずさめる歌詞に込められた世界観や心情の機微を事細かに解説していく。

5月26日の放送では、「むずかしい言葉より、リアリティ」というテーマで展開。以下の3曲を採りあげた。

①M/プリンセスプリンセス

もともとシングルCD「ダイアモンド」のカップリング曲だが、女性の失恋ソングの定番。作詞をした、ドラマーの富田京子さんの実体験をもとに書かれた。失恋して奥居香(現・岸谷香)さんの家でお酒飲んでいたときに浮かんできた「彼への仕返し」をつづった歌詞が大ヒット!「Mってなに?」と思わせるタイトル、「消せないアドレス/Mのページ/今は伝わらない」実体験が元なので、かなり歌詞にリアリティがある。「あなたのいない右側に/少しは慣れたつもりでいたのに」は車の助手席のシーンだろうか。「肩の向こうに見えた景色さえも」は、助手席側の彼をずっと見ていた様子が思い浮かぶ。それだけ彼のことが好きだったのだろう。飾らない言葉の強さを感じさせる。

②会いたい/沢田知可子

高校生のカップル、彼氏が突然亡くなるというシチュエーションは、チープな設定になりがち。しかし「ビルが見える教室」で、市街地で育った人は実感がわく。「少しの英語とバスケット」からは一緒に帰る姿が伝わる。

③未来予想図Ⅱ/DREAMS COME TRUE

普通の話し言葉で書かれている。「ブレーキランプ5回点滅」、最初はバイクでヘルメット、いまは車。すなわち、2人で成長している姿、そこに共感する。齢をとっても、かなわなくても、幸せな時に思う「変わらずに続いてほしい」という気持ちには、リアリティがある。

どの曲も難しい言葉はなく、リアリティがあり、歌詞カードを見ながらじっくりと曲の世界観に浸りたいと感じさせてくれる。飾らない言葉が、聞く人の心を動かすと実感させる3曲だった。

櫻井浩二インサイト

放送局:RKBラジオ

放送日時:毎週日曜~水曜 24時00分~24時00分

出演者:櫻井浩二、田中みずき、潟永秀一郎

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