交流戦2連勝! 巨人・岡本和が“打棒復活”のウラで積み上げてきた「数字」

三塁守備でも軽快な動きを見せた岡本和

巨人が主砲の一振りで交流戦2連勝スタートを切った。26日の楽天戦(東京ドーム)で岡本和真内野手(24)が則本昂から3戦ぶりとなる13号逆転2ランを放ち、チームは5―2で快勝した。不動の4番打者は13戦8発と量産体制に突入。打棒復活の裏には、こだわり続け、コツコツと積み上げてきたある数字があった。

目の覚めるような一発だった。1点を追う4回一死一塁、4番・岡本は則本昂の初球137キロの低めフォークを左翼席上段に叩き込んだ。3戦ぶり快音はキングタイとなる13号逆転2ラン。これに刺激を受けた若林、大城が2者連続本塁打を放って則本昂をKOした。

43打点で2位の阪神・佐藤輝との差は11打点に広がった。背番号25は打撃2冠に「(同い年の高橋)優貴も頑張っていたし、何とか点を取ってあげたかった。則本さんはすごくいい投手だけど、打てて良かった」とお立ち台でニッコリ。8回途中2失点と好投の先発・高橋に6勝目をプレゼントした。

交流戦2連勝スタートで巨人は今季最多の貯金9。原監督は「それまで相手投手(則本昂)が、もう目を丸くするようなボールを投げていたものですから。そういう中で対応したというのは、チームにとっても勢いがつきましたね」と4番に最敬礼だった。

13戦8発と骨折離脱中のキャプテン坂本の穴を十分に埋めているが、開幕直後は苦しんだ。3、4月は本塁打こそ5本も打率2割2分8厘と低迷。それでも首脳陣は主砲復活を信じ、チームでただひとり不動の「4番・三塁」で起用し続けた。すぐ後ろを打つ5番・スモークの好調さも復活の一因だが、打撃不調でも岡本和が懸命に取り組んでいたのが三塁の守備練習だった。早出で特守を行うなど連日、汗を流した。

そこには守備が打撃につながるという4番の信念があった。昨季のセ打撃2冠王は今季の目標を三塁での「ゴールデン・グラブ」と公言。「ピッチャーの方も守ってもらえたら、安心して投げられる。僕自身もリズム良くなるというのもあるので、そこからバッティングつながってくる」と明かしていた。

その成果もあり、この日までの岡本和の守備率は三塁でリーグトップの9割9分2厘。昨季の8失策から今季はここまで1失策に抑えている。

実は背番号25は昨季も三塁守備に自信を持っていた。デルタ社が公開する守備指標であるUZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)で、昨季は14・5とセ1位の数値を記録。ゴールデン・グラブ賞を受賞した高橋周平(中日)は8・7だった。記者投票である同賞ではセ・ワースト2位の8失策がマイナス要因となったようだ。

高橋が先発した9試合で4本塁打している理由について「打ち取る時は結構ぽんぽん打ち取ってくれるんで」と守備時のリズムを挙げた。そんな岡本和が巨人のホットコーナーを守り続ければ、打撃成績もチーム成績もさらに上がりそうだ。

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