元バルサ・シャビ氏にまさかのブラジル代表監督オファー カナリア軍団の意外な思惑とは

シャビ氏(ロイター)

サッカーのブラジル代表チームが次期監督候補として、元スペイン代表MFで現在カタール1部アルサドで監督を務めるシャビ氏(41)にオファーを出していたことが27日までに明らかになった。英紙「サン」をはじめ複数の各国メディアが報じている。

ブラジル代表は2016年6月からチチ監督(60)が指揮を執り、不振だったチームを立て直して18年ロシアW杯出場権を獲得。本大会は8強止まりだったが、22年カタールW杯南米予選では4試合を消化して全勝で首位を走っている。6月開幕の南米選手権では10度目の優勝を目指している。

とはいえ、常勝を求められるチームだけに、ブラジルサッカー連盟(CBF)は危機管理を怠ることは許されない。チチ監督との契約はカタールW杯までとなっており、好結果を残せば延長の可能性もあるが、6年を超える長期政権の弊害も考慮すると次期監督の選定も進めておく必要がある。

そこで候補の一人として挙がったのがシャビ氏。これまでブラジル代表監督を外国人が務めた歴史はないが、近年、ブラジルサッカー界は空前の外国人監督ブームとなっている。その流れに乗ったCBFも柔軟な姿勢で監督選びに着手した。過去には2014年にスペイン人のジョゼップ・グアルディオラ氏(50)にオファーを出したこともあり、自国の指導者だけにこだわるというのは過去の話となっている。

シャビ氏はスペイン1部バルセロナで栄光を築き、19年に指導者となってからは現役時代の最終所属クラブだったアルサドで指揮。卓越した戦術眼と戦略は高く評価され、激震に揺れる古巣・バルサの次期指揮官候補として名前も挙がっている。

しかし「サン」によると、シャビ氏はCBFのオファーに断りを入れたという。「指導者のキャリアが足りない自分が、ほとんど知らない国でプレッシャーがかかる仕事をするのは時期尚早」という理由を語ったという。

CBFの今回の動きは〝カナリア軍団〟の歴史だけでなく、世界で活躍する指導者の勢力図も変えるもの。真の狙いは、一度は断られたグアルディオラ氏の招聘という見方もある。それだけに今後、世界のサッカーファンが驚くような人事があるかもしれない。

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