韓国で二重国籍など利用した脱税容疑で54人を調査...「反社会的 容赦なく対応」国税庁

韓国国税庁は、韓国に居住しているにも関わらず、外国に居住しているかのように装うなどして納税をしていなかった資産家など54人を対象に税務調査を行うと、24日発表した。

調査対象のうち14人は納税義務がない「非居住者」であるかのように偽装して、所得と財産は海外に隠匿した二重国籍者などだ。

韓国国税庁は、「国内居住者としての健康上の利益(防疫・治療)は受けながらも、納税義務は履行していない恥を知らない人たち」と痛烈に批判した。

200億ウォン台(約19億円)の不動産を保有している賃貸業者A氏は、外国への出入りが頻繁なことを利用し、非居住者を装い、外国で稼いだ所得を正確に申告しなかった疑いを受けている。

また、韓国国籍を持つB氏は家族と共に韓国に居住しながら100億ウォン(約9億円)台の不動産を取得して貸し出し、不動産会社も運営している。しかし、B氏は二重国籍者を装って国外所得を少なく申告した疑いを受けている。

外国籍を持つが生計を共にする家族と韓国に住むC氏は、外国で数百億ウォンの外貨を持ち込みながらも、多数の病院で医療給付を受けて生活している。彼はわざわざ出国日数を増やして非居住者であるかのように偽装し、韓国での所得を少なく申告しており、海外金融口座の届け出もなかったという。

居住者と非居住者は、税法上の国内納税義務かどうかを判断する基準である。居住者は国内に住所を置いたり、183日以上居所を置いたりした個人を指し、生計を共にする家族と国内の資産保有状況、生活関係などによって判断する。居住者は、二重国籍や外国永住者かどうかに関連しない。非居住者は、「居住者」ではない人を指し、国内納税義務がない。

最近の調査事例をみると、韓国居住者のD氏は、外国永住権を取得した後、海外にペーパーカンパニーを設立した。以降、同法人名で海外不動産を購入した後、同法人株式を子供に贈与した。子供たちは、外国の市民権を持つことを利用して、韓国で非居住者に偽装し、贈与を受けた不動産に相当する贈与税を払っていない。以降、国税庁の調査で数十億ウォンの贈与税を追徴された。

ノ・ジョンソク国税庁調査局長は、「移民、教育、投資などの理由で韓国を離れた多くの内・外国人が、最近新型コロナウイルスの治療と防疫のために入国するなか、納税義務は履行せず、国が提供する福祉と利益だけを享受しており、資産不平等の懸念が高まっている」とし「反社会的な域外脱税には容赦なく強く対応する」と述べた。

(参考記事:「韓国国税庁、仮想通貨利用した脱税者2416人を摘発…告発者には最大2千万円近い報酬も」)

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