交流戦いまだ未勝利 ソフトバンク・工藤監督を悩ます「絶対的2枚」の不在

積極継投に踏み出せず

不安的中と言うべきか…。ソフトバンクは27日の中日戦(バンテリン)に、3―3で引き分けた。これで今カードは2敗1分け。過去に12球団最多8度制している交流戦で、開幕カード未勝利は16回目で初となった。

初回に幸先よく攻撃陣が3点を先制するも、先発・笠谷が4回に先頭からの連続四球後に同点3ランを被弾してのドロー。試合後の工藤公康監督(58)は「負けなかったというよりも勝てなかったと捉えている」と総括した。

“得意の交流戦”でスタートにつまずいた形だが、球団内では開幕前から苦戦を想定する声は出ていた。守護神・森が左ヒジの炎症で、鉄壁セットアッパー・モイネロが五輪予選参加のため離脱。先発陣が不安定な中「絶対的2枚」の欠如。現場も覚悟していたが、穴を埋める「やりくり」の難しさを想像以上に痛感している。

26日のカード第2戦では、右肩不調から一軍に戻り今季初先発した東浜が、6回二死から崩れた。連打と四球がからんで2失点。直後、嘉弥真に火消しを託した継投について、工藤監督は苦しい胸の内を明かした。

「森とモイネロがいて、あの3人(津森、嘉弥真、泉)が使えるというのであれば、たぶん(失点前に)代えることを考えた。(7回に)岩崎がいけるとなれば5回、6回というところなので(前出の3人と)代えられるが…。やっぱりああいうところで代えてしまうと、どんどん後手に回って結果的に…ということにもなりかねない」。球界OBが口を揃えて「やりくり上手」とたたえる工藤監督が、なかなか積極継投に踏み出せないという。

鷹が思わぬ正念場を迎えている。

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