米軍嘉手納基地内にミサイル保管庫新設 周辺自治体に連絡なく

 米軍嘉手納基地内に、米陸軍の地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC3)などのミサイル保管庫が完成したことが27日、分かった。19日に同基地内で式典が行われた。米軍はミサイル配備の迅速化が狙いだとしている。周辺自治体には事前の連絡はなかった。さらなる基地機能強化となれば、地元住民からの反発は必至だ。 PAC3は中国をにらんだ米軍戦略で、2006年10月、在日米軍再編合意に基づき嘉手納飛行場と嘉手納弾薬庫地区に配備された。

 本紙は米陸軍や沖縄防衛局に機能や設置目的など施設の詳細を問い合わせたが、現時点で回答はない。

 在日米陸軍の公式ホームページなどによると、新設された施設は米陸軍工兵隊日本地区を中心とした共同建設事業の一環で、日本の工業規格や材料を用いた革新的なものだとしている。敷地内に二つの主要な施設があり、ミサイルは最新鋭の冷却および湿度監視システム下で保管される。展開が必要な際、ミサイル配備が迅速かつ円滑にできるようになるほか、ミサイル保管の安全性を強化できるとしている。

 沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の会長・野国昌春北谷町長は「情報がまだ入ってきていない。嘉手納基地の機能強化には反対だが、正式な発表があればその時にコメントしたい」と述べた。

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