元稀勢の里・荒磯親方 阿見に部屋創設へ 8月独立「茨城に恩返し」

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荒磯親方

大相撲の元横綱稀勢の里、荒磯親方(34)=本名萩原寛、茨城県牛久市出身=が田子ノ浦部屋から独立し、8月1日付で「荒磯部屋」を創設することが27日、決まった。東京・両国国技館で開かれた日本相撲協会理事会で承認された。新しい部屋は茨城県阿見町内に設立される予定。完成まではつくば市の筑波大を拠点にする。

部屋はJRひたち野うしく駅が最寄り駅の地区に計画され、建設が始まるのは7月下旬から8月初旬の見込み。

報道陣の代表取材に荒磯親方は「親御さんから預かった弟子を強くさせ、成長させることが目標。力士としての振る舞い、言動も大切にしながら指導していく」と抱負を語った。序二段以下の力士4人と行司1人が転属する。東京都内ではない場所を選択した理由については「環境を重視し、いろいろな挑戦ができると思った。故郷の茨城県へ恩返しをしたいという気持ちもある」と説明した。

夏場所前の本紙の取材には、「茨城の力士として地元にバックアップしてもらったので、還元することが大事。幅広く地元の方に応援してもらえるような部屋にしたい」と地元への愛着を語っていた。

昨年度は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程(1年制)で学び、「新しい相撲部屋経営の在り方」をテーマに修士論文を書き上げた。自身が興す相撲部屋には土俵を複数置くことや、動作を分析するためのビデオカメラを置くなど、科学的なアプローチを取り入れる構想を描く。

現役時代に真っ向勝負の取り口と愚直な生き方が絶大な人気を誇り、17年初場所後には19年ぶりに誕生した日本出身横綱として大きな注目を集めた。19年初場所限りで現役引退した。現在は部屋付の親方として弟弟子の関脇高安(31)=本名高安晃、土浦市出身=らを指導している。

千葉繁阿見町長は「計画が実現されれば地元にとっては夢のような話で、ありがたい限り。コロナで暗い気持ちになっている中、光が差したようで、町民も喜んでくれるかと思う」と話した。稀勢の里郷土後援会長代理を務めていた根本洋治牛久市長は「大相撲の発展にご尽力いただくとともに、力士の育成、そして地域に根付いた部屋づくりを期待している」と語った。