【幕末維新 山口れきし散歩】 No.16 「延命寺古跡」

▲古葉が静かに落ちる(山口市大内矢田北)

 陸軍歩兵少佐・平賀國八の墓は、延命寺跡(現・高芝公民館)にひっそりとたたずむ。

 地元庄屋の次男に生まれた國八は、1864(元治元)年、16歳の時に良城恭蔵と変名し奇兵隊に入隊。四境戦争では小倉口、戊辰戦争では北越へ赴き激戦を勝ち抜いた。  

 1874(明治7)年には、陸軍大尉に。営内で同い年の乃木希典とは軍服を借りるほどの仲で、よく酒を酌み交わし詩を詠み合った。二人は西南戦争に参戦するが、この時、國八は、伝令士官として京都の木戸孝允のもとを訪れ、戦況を報告している。  

 だが、6年後の1883(明治16)年、國八は病のため帰らぬ人となる。35歳であった。     

防長史談会山口支部長 松前 了嗣

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