【新型コロナ】横浜市、常温保管ワクチンを119人に接種 冷蔵庫の電源プラグ抜け

常温のコロナワクチンを119人に接種していたと謝罪する市職員=横浜市役所

 横浜市は28日、瀬谷スポーツセンター(同市瀬谷区)で26日に実施した新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、決められた以上に長時間常温で保管したワクチンを誤って119人に接種した、と発表した。冷蔵庫の電源プラグが抜けていたためで、健康への悪影響については「考えにくい」としている。十分な抗体が生成されない可能性があるため、今後対象者を検査した上で必要に応じて再度ワクチン接種を行う方針。

 市によると、集団接種は同日午前10時から開始。同10時半ごろ薬剤師が追加のワクチンを冷蔵庫から取り出そうとしたところ、冷えていないことに気付いた。

 電源プラグがきちんとコンセントに刺さっておらず、庫内の温度記録によると、ワクチンを冷凍庫から移し替えた前日の夕方から15時間以上常温で保管されていたとみられる。冷蔵庫から取り出した後の常温保管はビンの状態で2時間、希釈して注射器に入れた状態で6時間が限度という。

 常温保存が判明したワクチンの接種はすぐに中断したが、すでに119人に接種済みで、同じように常温で保管していた247人分のワクチンについては廃棄した。

 市のマニュアルでは接種前に冷蔵庫内の温度表示を確認するよう定めていたが、職員は確認していなかった。市の担当者は「接種した方におわび申し上げる。再発防止に努めたい」と謝罪した。

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