少女のころを思い出す!東京・柴又の喫茶店「セピア」でいただくレトロな食事

昭和レトロな空間の喫茶店「セピア」

あたたかな色合いが目を引く、木造2F建ての喫茶店「セピア」。この建物には、店主の長谷沢(はせざわ)さんの昭和を懐かしむ想いと乙女心が隠されています。

子どものころに少女漫画が大好きだった長谷沢さん。物語の中で繰り広げられる恋愛や、主人公たちが着ている洋服、おいしそうな料理にまでも憧れを抱いていたそうです。なかでも印象に残っているのは、喫茶店をテーマにした漫画。ずっと、自分の生まれ故郷で喫茶店を運営したいと思っていたといいます。

そしてその夢が、2013年に現実のものとなりました。

店内は、オレンジ、ピンク、赤などの鮮やかな色合いが大胆に取り入れられています。少女漫画が織りなす、美しく夢のようなシーンに飛び込んできたかのようです。

入って左側の壁には、過去の漫画の表紙が飾られています。このタイトルが、さまざまなものの由来になっているのだとか。

たとえば、店名の「セピア」は、少女漫画界を代表する陸奥A子さんの著作『ミルキー・セピア物語』に由来。そして食べ物のメニューもタイトルに由来しているといいます。

正面の棚は、長谷沢さんが長年かけて集めてきた大切なものばかり。中古品を買うほかに、お客さんからときどき送られてもくるそうです。

少女のころにタイムスリップ

1Fの奥と2Fには、どこか懐かしさを感じる70年代の子ども部屋が再現されており、タイムスリップしてしまったかのように感じます。1Fの部屋は「女子小学生の思い出」をテーマに、マンガや人形など、子どものころに大切にしていた宝物を机の上に並べているそうです。

一番大切にしているものを聞くと、少し悩んでこう答えてくれました。

「難しい選択ですが、当時、月刊漫画雑誌『りぼん』に付属していたグッズです。これはもう買うことができないものなので」

2Fの部屋は「子どものころに遊んだ友達の家」がテーマ。家具や食器、魔法瓶などの家電製品から昭和の情緒が感じられます。長谷沢さんによると、昭和の家具の特徴は色使いが鮮やかなところだそう。花や果物の模様が多く、元気であたたかな感じがするとのことです。

個室は貸切が可能(1人1時間500円)。スイーツセットか主食セットをご希望の方のみ利用できます。

世界最小、唯一の『キャンディ・キャンディ』博物館

世界でも大ヒットした1970年代の少女漫画『キャンディ・キャンディ』。喫茶店「セピア」の2Fには、世界最小で、唯一の『キャンディ・キャンディ』博物館があります。入館できるのは土曜日のみなので、注意してくださいね(入館料600円)。

弁当箱や水筒、裁縫機などが展示されており、乙女心が呼び起されます。

一番興味深かったものは、上の写真のアニメ絵コンテ表です。ページをめくると、作者らが丁寧に作品作りをされていた、その努力の裏にあるものが感じられます。

夢のような可愛さの喫茶メニュー

メニューには、ナポリタンやパスタ、オムライス、ピラフなど、日本の定番料理が揃っています。取材時はナポリタンを注文。テーブルに届いたその料理を見て、思わず「可愛い!」と声が出てしまいました。なんと、タコ型ウインナーが、ナポリタンの中心に立っていたのです!

日本の家庭や洋食店の代表的な料理とも言えるナポリタンは、ピーマンとタマネギに濃厚なケチャップをかけ、甘酸っぱい風味。とてもおいしくいただきました(ドリンク&サラダ付き税込1,400円)。

食事が終わったらデザートも食べてみましょう! 硬めのプリンは、長谷沢さんが牛乳と砂糖、卵だけで作っています。何度も試行錯誤を繰り返し、ようやく完成した自信作だそう。ほろ苦いキャラメルと卵の香りが口の中に広がります。ひんやりとしたメロンクリームソーダとの相性もばっちり(セットで税込1200円)。

可愛くてカラフルなオリジナルグッズ

可愛らしい物語の世界の虜になってしまったら、オリジナルグッズはいかがでしょうか。プリンが描かれたピンクや黄色のキーホルダーは、手に取るたびに気分もはずみそうです(500円)。

イラストレーターをしているお店のファンの方が描き下ろした、オリジナルポストカードもあります。お店の要素が一枚の紙に表現されていますよ(1枚150円)。

乙女心を取り戻しに喫茶店「セピア」へ!

大人になっても乙女心はなくならない! 少女の時期を過ぎてもロマンチックな恋に焦がれたり、可愛いグッズを集めたりすることはできます。

喫茶店「セピア」に来たら、昔に感じた胸のときめきを、取り戻すことができるはずです。

In cooperation with 喫茶店セピア

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