ソニー長崎工場拡張 半導体生産体制強化へ 2022年度半ば以降稼働予定

 ソニーグループは28日、スマートフォンカメラ向け半導体「CMOS(シーモス)イメージセンサー」を生産する長崎県諫早市津久葉町のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンター(長崎TEC)の拡張工事を始めたと明らかにした。カメラの高機能化に伴い高性能なイメージセンサーへの世界的な需要の高まりを受け、生産体制を強化する。2022年度半ば以降の稼働を予定している。
 同日の投資家向け説明会で明らかにした。ソニーグループによると、長崎TECに4月に完成、稼働した5棟目の新工場(6階建て延べ約4万8千平方メートル)を増築する形で拡張する。投資額や拡張規模、体制強化に伴う今後の生産計画などは公表していない。
 ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(熊本県菊陽町)によると、スマホや車載用などに使われるイメージセンサーは国内では長崎や熊本、大分、山形の4拠点で生産し、月間生産は4拠点で計13.1万枚(3月末時点)。スマホ向けに限ると、世界シェアは57%(19年度、金額ベース)とトップを占める。4拠点のうち、長崎はスマホ向けに特化している。
 県は半導体関連産業を重点分野の一つと位置付け、誘致や育成に力を入れている。中村法道知事は「(長崎TECの)新たな事業展開に向け、優秀な人材の育成・確保に向けた支援やインフラの環境整備などについて、諫早市とともにできる限りの支援をしていく」とのコメントを出した。


© 株式会社長崎新聞社