諫早市 新「福祉・介護保険計画」 高齢者の受け皿拡充 市民協働も推進

 長崎県諫早市は、本年度から3カ年の関係施策の指針となる新しい「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定した。ハード面での受け皿拡充に加え、高齢者の地域での生活を支える「地域包括ケアシステム」の深化・推進も基本目標の一つに据えた。
 市によると、現在30%(昨年10月1日現在)の市内高齢化率は2025年には33.3%、40年には39.4%になると推計。要介護・要支援認定者数も20年の7360人から、25年に8233人、40年には1万543人に膨らむと見込んでいる。新計画では、介護サービスの基盤整備に関し、「地域密着型特養」と認知症対応の「グループホーム」などについて一定数の整備を進め、受け皿を拡充する方針を示した。
 一方、市は新計画策定の参考にするため、19年12月から20年2月にかけ、市内の一般高齢者2千人、在宅要支援・要介護認定者千人を対象にアンケート。一般高齢者の回答では、将来の生活について「介護サービスを受けながら現在の住居に住み続けたい」(63%)、充実すべき高齢者施策(複数回答)は「地域での見守り、支え合い活動」(42.2%)-などがそれぞれ最多だった。
 こうした結果を踏まえ、ソフト面での対策も強化する。医療や介護、地域が連携した市民協働の取り組みを推進。具体的には、認知症に関する情報発信の場として図書館を活用するなど住民への普及啓発に努めるほか、これまで「筋トレ」「脳トレ」などと個別に教室を開催してきた介護予防プログラムも見直し、市民が複合的に学べるようにする。
 計画の実践について市は「(高齢化問題への)市民の理解をどう高めていくかも課題。そのための情報発信や普及啓発にも当たりたい」としている。計画は市のホームページに掲載している。

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