南谷有美の"ワーケーション"な毎日 第49回 知る人ぞ知る名所! 高知県・安芸市で日常を楽しむのんびり自転車旅

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初めて足を踏み入れる高知県、数ある名所の中でも今回私が訪れたのは、安芸市です。「初めての高知でそこを選んだのは、なぜ?」と高知県民もびっくりするくらいのローカルな地域といえるかもしれませんが……知る人ぞ知る名所、安芸市で過ごした日々をご紹介します。

古き日の面影を感じるゲストハウス

今回の滞在場所として選んだのは「Hostel 東風ノ家」。2020年9月にオープンして以来、お遍路さんをはじめ、多くの旅人が訪れています。

築80年の古民家をリノベーションした宿泊施設で、敷地内には、本館・はなれ・3つの庭があります。キッチンも使えるので、自炊もできます。

全体で約180坪のお屋敷です。その昔、琴や英語の教室が開かれていて、大人から子どもまでさまざまな人が集っていたのだそう。施設内には、当時の面影が今も尚残されています。

客室は本館に4室、はなれに1室あり、私はドミトリーに宿泊しました。

宿の近くにある大山岬がボルダリングの登頂スポットとして人気なことから、部屋のコンセプトは「岩」。子ども向けのボルダリングボードも設置されている、遊びゴコロ満載の空間でした。

そしてこの施設の魅力の一つは、とにかく広いこと! 気分によってワークスペースを選択することができました。

屋外でも仕事ができるように、持ち運び可能なデスク・パラソルの貸し出しも行われていました。海辺で仕事なんて、まさにワーケーション。気になる方は是非チャレンジしてみてください。

また、カフェラウンジでは、月木土曜限定でbarの営業も行われていました。

旅人と地元の方との交流の場ともなっていて、滞在中、いろいろな人に出会い、新たなご縁にも恵まれました。

自転車でぐるっと一周。安芸市を巡る旅

宿主の仙頭杏美さんは、地元で活躍するライターさん。素敵な場所や人を、たくさん知っている方でした。そんな杏美さんが教えてくださったとっておきの場所を巡ってきました。

まずは、宿からすぐ近くの海に行きました。一本道なので、迷うことなく訪れることができます。

海辺を散歩した後は、安芸市の名産として知られる、釜あげちりめんを堪能しました。安芸沖で獲れたしらすが使われています。

ちりめんじゃこを温かいご飯の上にのせ、苔、大根おろし、青シソ、ごまなどの薬味をかけて食べる釜あげちりめん丼がおすすめ。市内の様々な飲食店で味わうことができます。 特産の柚子のお酢(地元では「ゆのす」と呼ぶそう)を使った特製ダレをかけるのがこの地らしさ。ちりめんじゃこがふわふわで、とてもおいしかったです。

次に訪れたのは、野良時計。国の登録有形文化財にも指定されているもので、地主であった畠中源馬氏が自分で時計組み立ての技術を身につけ、作り上げたと言われています。

昔は時を知らせる場所として、今は観光の名所として、多くの人に親しまれています。私が訪れたときはすっきりとしていましたが、コスモスやひまわりなど、季節の花とのコラボレーションが楽しめる点も魅力です。

その次に訪れたのは、内原野公園。江戸時代に作られた土佐藩家老五藤氏の遊園で、全国ため池百選に選ばれた弁天池がある場所として知られています。

私が訪れたときは、ちょうど「つつじ祭り」が行われていました。

"観光地"という感じはなく、のんびりとした雰囲気が印象的でした。写真を撮ったり、絵を描いたり、訪れた人々は思い思いの時を過ごされていました。

そして、安芸市が生んだ偉人、岩崎弥太郎さんの家にも足を運びました。

こちらの生家は弥太郎さんの曾祖父が1795年頃に建てたものだそうで、当時の面影を残したまま現在へと受け継がれています。

最後にご紹介するのは、「伊尾木洞」。安芸市のメインストリート国道55号を東へ進んで行ったところにある洞窟です。自生のシダが広がり、まるで太古の時代にタイムスリップしたような空間。道路沿いにあるなんて信じられないくらい、神秘的な場所でした。

歴史を感じるスポットや、絶景ポイント、おいしいグルメなど、自転車で巡れる範囲の中に、たくさんの楽しみが詰まっていました。デスクワークの合間に少しのアクティビティを挟むことで、心も体も軽やかになりました。

ワーケーションをした感想

初めての高知県でしたが、拠点となった「Hostel 東風ノ家」の居心地が良すぎて、2日の滞在予定を延長! 計1週間の滞在となりました。仕事環境はもちろん、店主である杏美さんの人柄も大好き。私にとってお気に入りの宿となりました。

安芸市は前項でもお話した通り、自転車で回ることができるコンパクトな街です。徒歩圏内にはスーパーやコンビニがあるので、食べるものに困るということもありません(ちなみにコンビニは、ローソンが過半数でした)。

背伸びをせず、普段の生活の延長線上のように楽しめる点が、安芸市の最大の魅力だと感じました。また機会をみて、訪れてみたいと思います。

南谷有美(なんや・ゆみ)

カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。