上越妙高駅周辺ローカル5G拠点化 人口流入の新たな鍵に 上越市企業とNTT東など

 高速・大容量・低遅延が特長の通信規格「5G」を上越市の上越妙高駅周辺で局所的に整備し、企業誘致などの産業育成や地域活性化につなげるプロジェクトが始まる。27日、プロジェクトを推進するコンソーシアム(共同事業体)が、事業概要を発表した。10月の運用開始を目指す。

 県の「アフターコロナを見据えたイノベーション創出支援事業(オープンイノベーション部門)」の補助を受ける。局所的に整備した5G通信環境はローカル5Gと呼ばれ、局所性ゆえにセキュリティー面で安全性が高いとされる。

 高速・大容量・低遅延の通信は映像配信や遠隔での機器操作などで効果を発揮する。コンソーシアムは同駅西口のビル2階と別の商業施設、釜蓋遺跡公園にローカル5G環境を整え、コワーキングスペースの設置やスタートアップ企業の支援拠点、屋外での実証実験場を整備する予定。

プロジェクトの概要を発表した(左から)NTT東日本新潟支店の飯塚支店長、丸互の前川社長、上越市の村山秀幸市長(丸互本社で)

 コンソーシアムはシステム開発などを手掛ける丸互(同市春日新田4)を代表企業に、NTT東日本がローカル5Gの環境構築、飛田観光開発(同市中田原)がコワーキングスペースの運営で参画する。他に北信越地域資源研究所(同市大和5)他3社がスペースの提供や企画などに携わる。上越市、新潟大が事業支援で名を連ねる。

 丸互の前川秀樹社長は「人口流入を促進するため、他地域と差別化された情報通信基盤(ローカル5G)拠点を整備し、スタートアップ企業を誘致・育成し、人口の社会減を解決に導くモデルを構築する」と述べた。

 NTT東日本新潟支店の飯塚智支店長は「屋外のローカル5G環境は県内初。国内でもほとんど例がない」と整備する環境の優位性を強調。運用開始以降見込んでいる案件としては「チアリーディングの遠隔レッスン」を挙げた。

© 株式会社上越タイムス社