東京海洋大学、三井E&S造船等と大型カーフェリーによる実岸壁での自動離着桟に成功 世界初

東京海洋大学、三井E&S;造船株式会社、株式会社商船三井、株式会社三井造船昭島研究所は、商船三井フェリー株式会社が所有する大型カーフェリー「さんふらわあ しれとこ」を用いて、茨城県大洗港の実岸壁にて自動離着桟の実証試験を実施。大型カーフェリーとしては世界で初めて、実岸壁での自動離着桟を成功させた。

海難事故の8割はヒューマンエラーが占めており、船舶の自動・自律運航化は、ヒューマンエラーの大幅な削減につながる。海難事故の防止に大きく寄与するとともに船員の大幅な負担軽減となり、海上輸送の在り方を大きく変えるものと期待されている。このような現状を背景に、国土交通省では「船舶の自動離着桟の安全性に係る実証事業」等を通じ、自動運航船を2025年までに実用化することを目指している。

今回の実証実験は、2021年3月から4月にかけて行った。実際に営業航海に従事している大型カーフェリー(総トン数:11,410トン)を用いた点、かつ、実岸壁で実施したという点において、世界初の試みとなる。

実施に際しては、事前に「さんふらわあ しれとこ」の操船性能を踏まえ、操船計画・実施要領・中止基準などを策定し、様々な事象下での安全性評価を十分に行った。また、海上に想定した仮想桟橋に対しての自動離着桟を行い、安全性を実船においても検証した。

今回の結果を活かし、今後は他船種でも実岸壁での自動離着桟の実証試験を行い、より汎用性の高い技術とすることを目指す。また、自動離着桟のみならず、自律航行の実現に向けた取り組みも進めていく。

参考:【東京海洋大学】世界初 大型カーフェリーによる実岸壁での自動離着桟に成功 (PDF)

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