空き店舗拠点に訪問診療 輪島で1日開業「地元の人支えたい」 小浦さんと萩原さん

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開業準備を進める小浦さん(右)と萩原さん=輪島市河井町

 輪島市河井町の朝市通り近くにある空き店舗を活用した診療所が6月1日、開業する。地元出身の医師と富山県上市町出身の看護師が自宅や入所施設に出向き、過疎高齢化が進む奥能登で医療サービスの充実を図る。コロナ禍による受診控えで在宅医療のニーズが高まる中、訪問診療で病気の早期治療につなげるとともに悩み相談にも乗り、健康寿命の延伸や地域の課題解決を目指す。

 診察に当たるのは、河井町で生まれ育った医師小浦友行さん(41)と、上市町出身の看護師萩原四季さん(28)。2人は病院でしか出会えない住民との関係性を変え、病気を患う前の人も支援したいと独立した。

 診療所は約3年前に閉店した雑貨店を改修。赤ちゃんから高齢者まで全世代を対象に、奥能登の課題を丸ごと解決しようと「奥能登ごちゃまるクリニック」に名前を決めた。

 訪問診療は輪島市内がメインで、子どもの発熱から軽度のけが、がんの緩和ケアまでさまざまな症状に対応。休診日は設けず、24時間体制で受け付ける。外来は毎週水曜午前のみで、オンライン診療も計画している。

 昨年末まで公立穴水総合病院(穴水町)で勤務していた小浦さんは、より地域密着型の医療を提供したいと考え、地元に戻ることを決意。共通の医療法人社団を介して知り合った萩原さんに協力を呼び掛けた。

 小浦さんによると、奥能登では、不登校の児童生徒や障害者、子育てに悩む保護者などが相談できる施設が自宅近くに少ない。「医師が住民のもとに向かい、人生の幸福度を高める手助けをしたい」と意気込む。

 萩原さんは金大卒業後、千葉県や長野県で勤務。老老介護世帯や一人暮らしの高齢者が多い奥能登で、「住民が気軽に悩み相談できる窓口になりたい」と語る。2人は「地元で生き、最期を迎える人たちを支えたい」と話した。