若者を中心に広がっている薬物乱用について、同じ若者の目線から防止を呼び掛けようと、女子美術大学(相模原市南区)の学生がポスターを制作した。市は700部を印刷し、市内の小中高校や大学、コンビニエンスストアなどに順次張り出し、若者への訴えを強めていくという。
デザインしたのは、同大デザイン・工芸学科3年の近藤さくらさん。市と同大が締結した「包括連携協定」に基づき、市が制作を依頼した。
ポスターは薬物乱用の危険性を視覚的に訴えかけようと、どこにでもいそうな女性がドラッグにむしばまれていく様子をマンガ形式で強調して描いた。
薬物乱用とは危険ドラッグをはじめ麻薬や覚せい剤などの薬物を使うことで、たとえ1回使用しただけでも乱用に当たる。
近年、「ハーブ」や「アロマ」などと称してインターネットで取引される危険ドラッグが若者を中心に広まり、意識障害などの健康被害を起こしたり、死亡したりするケースも発生しているという。
近藤さんは、「薬物を最初に使う『1回だけなら』という好奇心には、その後どうなるかというイメージがない。その1回が自分を苦しめ続ける恐ろしさを、たくさんの人に感じてほしい」と話している。