川崎市教委「90人が金品」 検定中の教科書教員閲覧

 教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せて金品を渡していた問題で、川崎市教育委員会は29日、教科書会社から金品を受け取っていた教員が延べ90人いたことを明らかにした。実人数では77人いたといい、現在確認を進めている。

 同日の市議会本会議で自民党の廣田健一氏(多摩区)の代表質問に渡辺直美教育長が答えた。

 市教委は現在、文部科学省が教科書会社の報告を基に作成した教員名簿を使い、指導課が本人に聞き取り調査を行っている。3月11日までに県教委に報告する予定。

 現時点で77人のうち55人の受領を確認しているが、5千円から2万円程度の謝礼のほか、交通費や弁当の提供を受けていたケースもあったという。

 渡辺教育長は「市民の教科書採択への信頼を著しく損なうこととなるので、教員に注意を喚起し、公平性、透明性の確保を徹底したい」と述べた。処分については「個別の事例の内容を精査した上で適正に対処したい」と述べた。

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