没後401年 遺徳しのぶ 平戸で2年ぶり按針忌

按針の墓と伝わる墓所に追悼のバラを手向ける井上会長=平戸市大久保町

 徳川家康の外交顧問として仕え、1620年に平戸で死去した英国人ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針)を追悼する按針忌が29日、平戸市大久保町の崎方公園であり、関係者ら約20人が平戸ゆかりの先人の遺徳をしのんだ。
 同市の市民団体「国際交流HIRAの会」(井上隆会長)が主催。1995年から按針の命日に近い5月下旬に毎年開催し、国内外の関係団体代表らが参加していたが、昨年の按針没後400年の節目は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い開催を断念。今回もコロナ禍で市外の関係者への案内は自粛した。
 2年ぶりの式典で井上会長は「規模縮小は残念だが、意義は不変。世代を超えた新たな縁が紡がれることを願う」とあいさつ。同市没後400年記念事業実行委の小関彰博委員長が「これまでで最も小さい按針忌になったが、次世代の参加があり、希望が感じられる」と式辞を述べた。井上会長や関係者、来賓ら約20人が按針のものと伝わる墓など3カ所に英国の国花・バラを献花。最後に、同実行委が作製した紙芝居で按針の生涯を紹介した。
 記念事業のうち、按針のものの可能性が高いと鑑定された人骨など、貴重な資料を展示した「三浦按針展」が平戸オランダ商館(大久保町)で開催中(6月13日まで)。主要行事として計画し、今年に順延された「ANJINサミット」は中止した。

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