コロナ不正受給、暴力団員を詐欺容疑で逮捕 組織的関与も視野 沖縄県警

 沖縄県警特別捜査本部は30日、国の持続化給付金100万円をだまし取ったとして、指定暴力団旭琉会二代目一心一家構成員で南城市佐敷津波古の男(51)、二代目沖島一家構成員で与那原町板良敷の男(31)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕した。持続化給付金を巡る詐欺事件で、暴力団構成員が逮捕されるのは県内初。特捜本部は暴力団の組織的関与がなかったか、引き続き捜査を進める方針。「捜査に支障が出る」として両容疑者の認否は明らかにしていない。

 県内での持続化給付金詐欺事件での逮捕者は16人となった。特捜本部によると、両容疑者は持続化給付金の不正受給に関与したとして、これまでに詐欺容疑で6回逮捕されている税理士・行政書士の被告(51)の事務所で確定申告を行っていた。

 逮捕容疑は2020年7月、一心一家構成員の男の親族である20代男性や税理士・行政書士の被告らと共謀の上、20代男性が持続化給付金を受給できるよう虚偽の申請を行い、中小企業庁から100万円をだまし取った疑い。特捜本部によると、親族の男性は会社員だったが、建築業(一人親方)などと職業や収入などを虚偽の内容で申請していたという。

 県警は受給した一心一家構成員の男の親族である20代男性も詐欺容疑で書類送検する方針で、だまし取られた100万円が暴力団の資金源となっていた可能性も視野に捜査を進めている。

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