【カープ】 期待の2年目左腕・玉村昇悟投手が一軍の舞台で得た課題と手応えとは

「野手からもベンチからも信頼されて、自立した、ひとり立ちできるようなピッチャーになりたい」と、あどけない表情ながらも堂々と胸を張って話すのは、プロ2年目・20才の玉村昇悟(たまむら しょうご)投手。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、期待の左腕・玉村投手をフカボリ。プロ入り3度目の先発登板を果たした玉村投手に、一軍の舞台で得た課題や手応えを聞いた。

※データはすべて5月29日O.A.時現在 ※以下、敬称略

玉村昇悟投手 (C)HOME

2019年、福井・丹生(にゅう)高からドラフト6位で入団。ルーキーイヤーは強化選手として、体力作りを中心に練習した。入団時75キロだった体重が83キロまで増えて迎えた2年目の今年。4月29日にマツダスタジアムで念願の一軍デビューを果たした。観客が入っての初めての登板に緊張したというが、その立ち上がりは持ち味である“ボールの出どころが見えにくい”独特のフォームでDeNA打線を三者凡退に抑えた。

ところが1対1の同点で迎えた4回。先頭のオースティンにソロホームランを浴びると、ソトにも142キロのストレートをライトスタンドまで運ばれるなどDeNA打線につかまり、5回5失点でプロ初黒星。そして2戦目となったバンテリンドームでの中日戦でも、ビシエドに2ランホームラン。初勝利を飾ることができず、プロの壁を痛感させられた。

その一方で、1戦目と2戦目の違いもあった。それは打たれた後の投球。2戦目はランナーを背負っても追加点を許さず、5回を投げてホームランによる2失点のみ。玉村は「ストライク先行でいくというのが持ち味というか、ピッチングスタイルなので、そこは貫けたかと思う」と、手応えを感じたという。

「ストレートで詰まらせることも多かったので、まだ力不足だが、ストレートに自信があって一軍に上がったので通用したのがよかった。“打たれないストレート”を投げるのが理想だと思っているので、ストレートを追求してこれからもやっていきたい」と意気込む。

練習中の玉村投手 (C)HOME

さらに、登録抹消となり二軍で調整を続けてきた期間は、新たな取り組みを行なった。「バッターと対戦する中で、どういうピッチングをしていくかがこれからもっともっと大事になってくるので、“バッターからどう見えるか”を意識しながら投げるようにしている。(変化球を投げる時でも)見え方というか、変化量じゃなくて、いかにストレートに近づけるか」が課題だと明かす。プロのレベルの高さに触れ、自己満足の投球だけでは通用しないと痛感した結果だ。

「先発をやっている以上は、完投や完封で勝てる試合を作りたい」と話す玉村。一歩一歩成長を刻み続ける期待のサウスポー。一軍の舞台で輝きを放つ姿が見られる時、その先にはきっと念願のプロ初勝利が待っている。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 5月29日放送

ライター 湯谷葉子

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