F1のドメニカリCEO、スプリント予選を開催するグランプリでの“グランドスラム”ボーナスポイント付与を提案

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、グランプリの週末に圧倒的な最高レベルの結果を達成したドライバーに、チャンピオンシップにおけるボーナスポイントを付与する案を提出した。

 今夏にシルバーストンで開催される第10戦イギリスGPで初めて、F1は計3会場で行う革新的なスプリント予選レースを試すことになる。優勝者は3ポイント、2位は2ポイント、3位は1ポイントが付与される。

 F1はドライバーの意欲を高め、ファンのためにショーの内容を改善する新たな道を模索しており、ドメニカリはF1がある種の“グランドスラム”を導入できるだろうと示唆している。予選でポールポジションを獲得したドライバーが翌日のレースで終始リードラップを走行して優勝し、かつファステストラップも達成した場合、追加のポイントを与えるというものだ。

 これまでそのような成績は、現代のF1では滅多に達成されていない。7度の世界チャンピオンのルイス・ハミルトンでさえ、そのような結果はF1でのキャリア98勝のなかで6回しか出していないのだ。

「念頭に置いてるのは、いわばグランドスラムボーナスを作ることだ。予選、スプリントレース、決勝レースで1位になったドライバーに追加のポイント等を付与するものだ」とドメニカリは『Gazzetta dello Sport』に語った。

「そのことに何が関連してくるか検討しなければならないが、今後予選スプリントレースを開催する一部のグランプリで、グランドスラムに報奨を与えることを考えている」

「この仕組みを今後数年間に、歴史的な会場で導入することもできるだろう。さらに特別なイベントにするためだ」

2020年F1第8戦イタリアGP スタートシーン

 新たなフォーマットをテストすることで、F1はレース内容を改善することを目指しているが、さらに観客の幅を広げ、若い年齢層をF1に引きつけようともしている。

「我々は急速に成長しており、それはテレビやソーシャルメディアの数字から見て取れる。もちろん我々はそのことに大変満足している。若い世代もF1にますます関心を示している」

「もちろん我々にはまだやるべきことが多くあるが、F1は現在非常に良い時期にあり、急速に成長しているところだ」

「そのため我々はF1をいっそう良いものにするためにどのようにできるか常に考えている。ファンにさらに多くのものを見せたいのだ」

「今年最後まで、シーズン中の興奮を維持していくつもりだ。そうすればファンの関心はいっそう高まるだろう」

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