上海の崇明島で第10回中国花博が開幕

第10回中国花博のCentury Pavilionは巨大なチョウの形

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【上海2021年5月28日新華社=共同通信JBN】第10回China Flower Expo News Center(中国花卉博覧会ニュースセンター)によると、1000日以上の準備期間を経て5月21日、China Flower Expo(中国花卉博覧会)が開幕した。

中国共産党崇明区委員会のLi Zheng書記は開会式で花博について、崇明区が過去20年に緑化を向上させた重要な進歩を反映していると語った。

Li書記は「上海が2001年に崇明を“エコロジーアイランド”に指定してから20年、崇明の住民は緑化に献身してきた」と述べた。

崇明区は手っ取り早い利益になる工場を誘致する代わりに、2035年までに世界トップ級のエコロジーアイランドになることを目指し、自然の回復と環境に優しい農業、レジャー、観光産業に集中してきた。

このような努力は報われた。崇明区は現在、森林被覆率が30%あり、住民は1年の約90%を良質の大気に恵まれている。また、クリーンエネルギーは島内電力消費の56%を賄っている。

ガーデニングをテーマにした中国のプレミアイベントとして知られる花博は崇明区の中心部で開催され、屋外庭園180カ所、屋内展示ゾーン64カ所、サービスゾーン2カ所で構成されている。

巨大なチョウの形のCentury Pavilionは花博敷地の北部にあり、ボタン形の花畑にある博覧会常設会場、Fuxing Pavilionに向かって飛んでいるように見える。中国語の「fuxing」は「復活」を意味する。

このデザインは、今年が中国共産党結党100年になることから、「Blossom with the Chinese Dream(中国の夢とともに花開く)」のテーマを反映している。

東平国立森林公園は花博敷地の南部を構成し、ビジターは長江デルタの30家族が創作した革新的なフラワーデザインを見ることができる。博覧会で一般人の作品が展示されたのは初めてである。

最初の週末には1日当たり約2万人が博覧会を訪れ、1000の新種を含む2万点以上の花の展示を鑑賞した。

Bright Dairy and FoodのShi Mingfang会長は、グループが上海に最大の花卉工場を建設したと述べた。博覧会の花を保管する7万6000平方メートルのスマート温室である。

Fuxing Pavilionの河南省展示責任者Song Limin氏は、花博フラワーコンテストの金メダルを目指して、盆栽と生け花500点を持ち込んだと話す。

同氏は「われわれは昨年に種を準備して、博覧会期間中に花を咲かせるよう温度を調節した」と語る。

雲南省の展示はKunming International Flora Auction Trading Center(昆明国際花オークション取引センター)につながる巨大スクリーンを設置し、人々は数秒ごとのオークション取引を見ることができる。

花博とともに第8回China Flower Trade Fair(中国花卉見本市)が5月21-29日、6月5-13日、6月19-27の3次にわたり開催され、全国の園芸企業約400社がさまざまな花、種、切り枝、苗木、園芸用具を販売している。

Yunnan Holy FloraのFei Xuemeiゼネラルマネジャーは、国民の所得水準が上がっているため、中国の花の販売額は増大に向かっていると話す。

同氏は「花は付加価値の高い農産品で、花卉業界は国の地方再活性化に貢献している」と述べる。

China Flower Association(中国花協会)のJiang Zehui会長は、現在、国内の花栽培面積は150万ヘクタールあり、年間2500億元(約392億ドル)以上を売り上げ、純輸出額は6億2200万ドルに達し、中国を世界有数の花の生産・取引国にしていると述べた。

崇明区は3年前、花博の開催権を獲得して以来、花卉小売り業を振興してきた。

昨年末までに大手花卉業者8社を迎え、約25億元の投資総額をもたらした。崇明区の花卉植え付け面積は2万8000ムー(約1865ヘクタール)に達している。

China Horticultural Society(中国園芸協会)のLi Cheng会長は、上海は花卉の総生産量で雲南にかなわないが、国内有数の富裕地域として、その場所が理想的な草花の出荷元になっていると語った。

Li氏は「長江デルタに位置する崇明区の植物は素早く搬送され、上海だけでなく浙江、江蘇両省でも販売されている。1人あたり年間所得が中国本土のトップ5に入る地域である。花博開催は“花の島”崇明のブランドを押し上げるに違いない」と述べた。

1987年に北京で始まった博覧会は、中国花小売業の発展を振興してきた。開催地は4年ごとに中国各都市を巡回している。

National Forestry and Grassland Administration(国家林業草地管理局)のLiu Dongsheng副局長は「博覧会は花の交流・協力のプラットフォームで、花の研究、開発、加工、物流を含む産業チェーン全体の発展を推進している」と語る。

花博の波及効果は、崇明区の観光部門アップグレードも加速している。ここ3年、博覧会ビジターの大量流入を見越して、ゲストハウスや民泊農家数百軒が開業した。

ゲストハウス「Zhigu 1984」のオーナーでChongming Minsu Association(崇明ミンス協会)会長のLiu Qing氏は「花博はより多くの人に崇明を認知させ、すでに盛んな島のミンスビジネスを加速している」と述べた。「ミンス」は中国式の「朝食付き民宿」を指す。

同氏は「多くの人気ミンスでは現在、ゲストが1カ月前に予約する必要がある」と語る。

Li Zheng党書記は、花博2日目に開かれる第11回China Ecological Civilization Summit(中国エコ文明サミット)期間中に機会を捉え、崇明区はエコツーリズムとグリーン農業を推進すると述べた。

Li 氏は「われわれは崇明区を美しい田園に構築する勢いを持続する。そこで人々は夜の星を眺め、鳥の歌声を聞き、花の香りをかぐことができる」と述べた。

ソース:The 10th China Flower Expo News Center

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(写真説明:第10回中国花博のCentury Pavilionは巨大なチョウの形)

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(写真説明:上海の崇明島が花博開催)