新潟県内でウッドショックに関する意見交換会が開催

森林は多いが、製材所も少なく、木材を輸入に頼る日本では木材不足が深刻化している(写真はイメージです)

米国の旺盛な住宅着工に伴い、日本国内に入る木材が大幅に減少し価格が高騰している「ウッドショック」。新潟県は31日、このウッドショックに関する意見交換会を新潟市内で開催した。県の資料によると、県でも輸入木材の入荷遅れなどが発生していることから、県内の木材流通を担う川上から川下までの関係者が集まり意見交換を行ったという。

アメリカから日本への梁や桁に使う米松(アメリカ産のマツ)の輸入が激減したのは今年春頃という。「含水率などの基準やミリ単位の精度を求められる日本に輸出するよりも需要が旺盛な米国内で販売したほうが楽と米国の製材メーカーが考え、日本への輸出が減ったと考えられています」(県内関係者)

また、年明け1月頃から木材が手当できなくなるのではないかという噂があり、資本力のある大手が買い手のついていない木材を片っ端から買っていたことも木材不足に拍車をかけたのではないという見方もあるそうだ。加えて、ある国が木材不足を見越して仕入れを強化したという噂もある。

このほか、欧州から米国への木材供給が増えたあおりで、欧州産木材の不足感も強まった面もあるという。

気になるのは、関連産業が広く景気を大きく左右する県内の住宅着工数への影響。前出・関係者は、「5月はプレカット工場からハウスメーカへ供給できていたが、6、7月に住宅着工数に影響が出るといわれています。ここがピークになるのか、影響がそのまま続くのか注視が必要」と話す。

一方、今回のウッドショックと直接的には関係ないが、合板もコロナの影響を受けているという。「昨年からの世界的な外出自粛の中で生産人員が減り、ラワン合板の生産が減少しています。そこに来て、新潟では新潟市東区の大新板合板が事業を停止し、不足に拍車をかけました」(同)

ただ、大新板合板は、コロナ禍前の合板価格がまだ高くなく、海外との競争が厳しい時に事業停止を決断したようで、当時が今のように合板不足になっていたならば、事業停止をしなかったのではないかという見方もあるそうだ。

【関連サイト】
大新合板工業株式会社の解散について

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