福祉施設パン屋が営業再開 セサミ・ツノ(都農)

工房内の作業風景を見ながら客がパンを買い求める都農町「セサミ・ツノ」の売店

 都農町の障害福祉サービス事業所「セサミ・ツノ」(児玉典子施設長、32人)のパンの売店が5月25日、新築・移転先の駅前地区で約2カ月ぶりに営業を再開した。初日から再開を心待ちにしていたファンらでにぎわい、事業所の利用者は「収入増と自立生活の実現に近づきたい」とやる気を燃やす。
 同事業所は松原地区で2007年からパンを製造し、自前の売店のほか、町内外のスーパーや道の駅でも販売し、地域住民の人気を集めてきた。事業所の施設老朽化に伴う新施設整備で、旧南保育園跡から駅前地区に移転を終えた3月末から約2カ月間、売店での販売は休止していた。
 新しい売店は新施設の一角にオープン。隣接する工房で利用者は計量やパンの成形、パッケージ作りなど幅広い業務に携わり、客はその様子を間近に見ながら購入できる。
 初日の25日は新商品のマリトッツォ、人気の玄米食パン、ラスクなど約20種類がずらり。開店前から並んだ20人超の客は「待ち遠しかった」「近所に店を構えてくれてうれしい」などと会話も楽しみながら商品を買い求めた。
 利用者の矢野正朗さん(41)は「無事に売店を再開できてうれしい。レジ対応など新しい業務を任せてもらえるよう頑張り、職員が付きっきりでなくてもうまく営業できる売店にしたい」と意欲を語る。
 営業は平日午前10時半~午後4時。パンは日替わりで数種類が並ぶ。(電話)0983(25)5521。

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