【高校発みやざきSDGs】ー18ー宮崎北(上) 宮崎の海実態を研究

プラスチックを分類し、観察する生徒たち

 本校は2003年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、サイエンス科を中心に科学人材育成を目指し、多くの教育プログラムを開発した。現在はSSH事業の第4期にあたり、本校普通科生徒及び県内各校への探究型学習の普及に取り組んでいる。本校の探究型活動の特徴は自分たちでテーマを決め、3~5人のグループで協働的に進めていくことである。

 サイエンス科3年の園田響己さん、高橋惠梨華さん、松崎百花さんは元々海に興味を持っており、ニュースや1年次の海洋実習(宮崎海洋高との連携事業)でマイクロプラスチックに強い関心を抱き、県内のマイクロプラスチックの実態を研究テーマに設定した。実際に木崎浜や青島に足を運び、砂を集め、プラスチックの大きさや個数を分類。プログラミングソフトウエアMATLABによる自作のプログラムを作成し、多くのデータを解析した。また、公益財団法人中谷医工計測技術振興財団の科学教育振興助成による機材を用いて、宮崎海洋高の協力の下、太平洋沖の海水のサンプリングを行い、研究を深めた。

 その結果、プラスチックの個数は木崎浜が青島の2倍ほど多く、サイズは青島の方が小さい傾向にあることが分かった。研究は継続中であり、現在は門川町の砂を解析中である。将来は「宮崎県内における砂浜のプラスチックの分布図を作り、宮崎の海岸の実態を広く知ってもらい、環境保全に貢献したい」という熱い思いにあふれている。(教諭・甲斐史彦)

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